田中貴金属工業は11月30日、白金を使用した燃料電池(FC)用触媒について、2010年度上半期の月平均出荷量が2004年度以降で過去最高を記録し、2010年度の総出荷量でも過去最高となる見込みであると発表した。
2004年度の総出荷量の月平均指数を100とした場合、自動車用燃料電池の需要増に伴い2006年度に169を記録。その後、2008年にリーマンショックの影響を受けて135まで落ち込んだが、2009年度は家庭用燃料電池「エネファーム」の大幅な需要拡大で持ち直し、2010年度上半期では過去最高となる172に達した。
家庭用燃料電池は今後も普及が見込まれるほか、次世代電力網「スマートグリッド」における電力源としても注目される。燃料電池車についても、同社は「実証試験を継続しながら本格的な普及拡大の準備段階に入った」と分析している。(オルタナ編集部=斉藤円華)2010年11月30日