
メガネの開発・販売を手がけるアドレンズ・ジャパン(東京・港、中島義展代表取締役社長)は7日、度数調節可能なメガネ「アドレンズ p.o.v.(アドレンズ ピーオーヴィー)」の発表会を都内で開催した。アドレンズは、ポリカーボネート製の二重レンズ内に注入するシリコンオイルの量を加減することで、使用者が自分の視力に度数を合わせることができる。
英国オックスフォードに本社を置くアドレンズ社は、これまで先進国での製品開発・販売を目指すと同時に、開発途上国の人々に視力矯正の手段を提供してきた。このメガネも元来は、眼科医不足に悩むアフリカ、アジアの途上国に向けて開発したものだ。同社は、06年からチベット、ガーナで同製品の配布を開始。09年からはルワンダ政府と協働し、配布を進めてきた。
今回の日本マーケットへの進出について、マイケル.C.フェラーラ エクゼクティブ・チェアマンは「日本のメガネ市場は米国に次ぐ規模。それに加えて、日本の消費者は社会性と流行を融合できる。我々の新製品を投入するには最適だ」とその理由を説明した。同製品の年間売上目標については「4万本」(中島社長)としている。ターゲットは流行に敏感な若者。5色のカラーバリエーションを用意し、2011年度グッドデザイン賞の受賞も決定した。災害など非常時用のメガネとしての需要も見込んでいる。
メーカー希望小売価格は7980円で、12月9日から順次全国で販売を開始する。売上げの2%は、経済的に困難な人々へメガネを配布する「ビジョン・フォー・ア・ネーション ルワンダ募金プログラム」に寄付される。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)