新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は3日、沖合での洋上風力発電の実証実験に向けて、福岡県北九州市沖に定格出力2千キロワットの風車を設置したと発表した。海底に設けた土台の上に風車を据え付ける「着床式」で、3月4日に千葉県銚子沖で発電を開始した風車に続き国内で2基目。
設置場所は北九州市の沖合約1.4kmの海域で、水深は約14m。各種試験を行った後、6月中にも発電を開始する。着床式の洋上風力発電はNEDOが国内で初めて取り組み、銚子沖の風車も同機構と東京電力が共同で設置。これにより、太平洋側に次いで日本海側でも実証実験が始まることになる。
洋上風力発電は欧州で導入が進み、2011年末までに発電出力が約400万キロワットに到達。同発電方式は日本でも有望視されているが、気象や海の条件が欧州とは異なる。NEDOでは実証実験を通じて風車の信頼性などを検証し、洋上風力発電の導入に必要な技術の確立を目指すとしている。(オルタナ編集部=斉藤円華)