バングラデシュの工場の管理体制に投資家が懸念【アジアCSR最前線】

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リチャード・ウェルフォード(CSR Asia 会長)

ブルームバーグがバングラデシュのサプライチェーンの安全問題に関して最近、興味深い報道をしている。

2013年1月26日に衣服の縫製工場で6人の死者を出した火事をきっかけに、「最新のファッションを消費者へ提供するために人命を危険にさらしているのではないか」という議論が高まっている。投資家はそうした悲劇でブランドや信用に傷がつくことへの懸念を強めている。

この縫製工場の焼け跡からは、ZARA を所有するスペイン企業のインディテックスのブランドであるベルシュカとレフティーズの商品が発見された。工場の所有者はダッカを本拠とするスマート・エクスポート・ガーメント社であり、インディテックスは自社の調査員を現場に派遣したという。

ファストファッションは、流行を採り入れた低価格の商品がショップに常に並べられていることで、GAP や他の人気のブランドは厳しい経営環境でも売上が好調で利益を出していける。だが、アパレル企業にとっては、今後、工場労働者を危険にさらさずに、最新のファッションをショップで展開し続けるためのフレキシブルなサプライチェーンをどう維持するかが問題だ、とブルームバーグは指摘する。

コストダウンの果てに待ち受けるリスク

2012年11月24日にもウォールマートを含むブランドや小売業のファッションを製造する工場の火災事故で、120人が死亡している。これも多発している産業事故の一つに過ぎず、労働者の安全管理体制への懸念が示された。

取引先である小売店向けの衣服と玩具の世界最大のサプライヤーである利豊社(香港ベース)は火災事故への対応として、犠牲者の家族に1150ドル(約10万円)の見舞金を支給すると約束した。

国際労働者権利フォーラムの声明によれば、バングラデシュは中国に次ぐ第二のアパレル輸出国となったが、アジアの国々において2005 年以降、安全管理に不備がある危険な建物での就労により700人の衣服製造労働者が死亡したという。中国での賃金上昇に伴い、企業はバングラデシュや他のアジアの低賃金国に移りつつあることも関係している。

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2014年9月1日(月)18:21

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