商品におけるCSRコミュニケーション【CSRコミュニケーションのこれから】

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「環境ラベル」から「自分たちの言葉」へ

例えば、我々のなじみが深いCSRレポートでは、FSC認証紙の使用が当たり前ですが、東京ガスでは、自社内の使用済み文書や植林材および再・未利用材を原料とした再生紙を活用しています。商品の事例としては、花王がLCA 視点で環境負荷をとらえ、消費者が実際に使用する場面が一番多くCO2 の排出につながっていることから、消費者を巻き込んだ形で環境活動を行う、「いっしょにeco」という企業独自のラベルを作り、環境負荷を減らす活動に努めています。

その様な活動の中でも、好事例として挙げられるのが、コクヨの「エコバツマーク」です。環境配慮が付加価値ではなく、当たり前であるという考えのもと、配慮が足りていないネガティブ要素をもつ商品には「エコバツマーク」を表示しました。

その結果、消費者にとっては、商品を選ぶ目安に、社員にとっては、環境問題を考えるきっかけとなりました。2007年度の取り組み開始時には、およそ1万8千点あった「エコバツマーク」が付いた商品はその後改良を受け、2011年度にはゼロになり、商品カタログから「エコバツマーク」が消えました。

その過程において開発されたのが、「環境、効率、安心・安全」をコンセプトにした、針なしのステープラーです。針をなくしたことで分別廃棄の必要がなくなり、作業効率のアップを実現するとともに、金属針による異物混入やケガの心配がなくなりました。これにより、我慢を強いることなく、継続できる、エコに付加価値がプラスされた新しい価値の創造につながりました。

今後は、エコラベルの取得を続けていくのはもちろんのこと、自社の環境コンテンツを活用することで、エコラベルより深い企業の関与を実現すること。その上で、その企業の商品を購入することがいかに消費者、ひいては地球環境にとって良いことかを分かりやすく訴求することが、グリーンウォッシュを防ぐことはもちろんのこと、環境ラベルだけでは作り出せない、企業価値を向上させることにつながっていくのではないでしょうか。

【おだか・ゆうし】凸版印刷入社後、商品企画部にて様々なクライアントの商品プランニングに携わった後、CSR・ブランド戦略チームへ。環境情報学を専攻し、エネルギー関連に携わるほか、環境先進国ドイツで過ごした経験を活かし、CSRを中心にグローバルなコーポレートコミュニケーション支援に携わる。

(この記事は株式会社オルタナが発行する「CSRmonthly」第9号(2013年6月5日発行)から転載しました)

藤沼 将史氏の連載は毎月発行のCSR担当者向けのニュースレター「CSRmonthly」でお読みいただけます。詳しくはこちら

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2014年9月10日(水)21:31

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