[CSR] 福島の農家の思い、「氷結 和梨」に込めて――キリン、CSVへの取り組み

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■「ブランド力」で支援

こうした活動はどのように企業価値を高めるのだろうか。

日本フィランソロピー協会の高橋陽子理事長

日本フィランソロピー協会の高橋陽子理事長

「氷結 和梨」の場合、和梨というフレーバーに魅力を感じて購入する場合が多いという。だが一方で、地域連携の取り組みを知ることで氷結を買いたい気持ちが強くなることがお客様調査で明らかになっている(キリン調べ)。

平間さんは、「美味しい商品を開発し、お客様に共感してもらえると、営業や商品開発の担当者にとっても、商品に対しての愛着がわいてくる」と話す。「氷結 和梨」のパッケージには、大きく「福島産」と書いてある。

「福島のお土産として買っていく人もいると聞いた。このような商品を発売してもらってうれしい」(果実と野菜の仲卸・ヤマイシの斎藤智章さん)

空港やその地域の店舗にとっても、特産物を使った商品が売りやすくなる効果もあるのだ。

「キリン絆プロジェクト」の農業支援にかかわってきた日本フィランソロピー協会(東京・千代田)の高橋陽子理事長は、「キリンらしい企業のブランド力を生かして社会に貢献する好事例」と評価する。

「『忘れられることが一番怖い』という被災者の声も多い。様々な課題があるなかで、『福島』の『和梨』を主力商品に使うことは、農家を勇気付けるとともに、波及効果も高い」(高橋理事長)

高橋理事長は、「良い支援とは、変化するニーズをくみ取って、被災地の自立と復興を支援していくと同時に、支援していく側も成長していくこと」と語る。

福島産和梨の果汁を使用した「キリン氷結和梨(期間限定)」。350mlと500mlの2サイズ展開

福島産和梨の果汁を使用した「キリン氷結和梨(期間限定)」。350mlと500mlの2サイズ展開

キリングループでは、東日本大震災復興支援に継続的に取り組むべく3年間で60億円を拠出することを決め、2011 年7月に「復興応援 キリン絆プロジェクト」が発足した。

当初は農業機械の支援、養殖施設の復旧支援など、ハード面での復興支援が中心だったが、現在はブランド育成支援、6次産業化に向けた販路拡大支援、将来にわたる担い手・リーダー育成支援などソフト面での支援に力を入れている。高橋理事長は、「農業支援を通じて、東北のコミュニティーを復興してほしい」と期待する。

キリンは2013年1月、CSV本部を発足させ、全社をあげてCSVを推進する体制を整えた。「氷結 和梨」の取り組みが社会に広がっていけば、社会的課題の解決と企業の成長を両立させる「キリンCSV」の代表事例となるだろう。

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2014年11月7日(金)13:12

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