植林で気づきたい「森の時間」とは――持続性のある社会の選択を[岩崎 唱]

岩崎 唱
NPO法人 森のライフスタイル研究所 遊撃隊員
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ブナの植樹(長野県・カヤの平高原牧場)

ブナの植樹(長野県・カヤの平高原牧場)

現代社会は時短の時代。リアルタイムでスピーディに行うことが美徳となっている。ネットを使って「秒速で1億円稼ぐ」なんていう宣伝文句を見かけたこともある。時間がかかること、すぐに結果がでないこと、効率が悪いことは、どんどん敬遠されていく。森が育つにはとんでもなく長い時間が必要だ。林業が現代の経済社会の中で取り残されてしまうのも、時間の感覚が現在社会とはあまりにかけ離れているからかもしれない。木を植えながら、時間について考えてみた。(NPO法人森のライフスタイル研究所=岩崎唱)

NPO法人 森のライフスタイル研究所の活動フィールドには、植林活動をしているフィールドが何ヵ所かある。2014年は、千葉県の九十九里・蓮沼殿下海岸(クロマツ、マサキ)、長野県の佐久市大沢財産区(ヒノキ)、和田峠スキー場跡地(ミズナラ、カラマツ)、カヤの平高原牧場未利用牧草地(ブナの実生苗)の4ヵ所に約1万2千本の苗を植えた。

2015年も蓮沼殿下海岸、佐久大沢財産区の「薪(たきぎ)の森」、カヤの平高原牧場未利用牧草地で植林を行う予定だ。植樹祭などでは、一人数本しか植えられない場合が多いようだが、当団体では毎回一人20~30本は植えていただいている。参加者の中には「こんなに植えられる(植えさせられる?)とは思わなかった!」という、うれしい悲鳴をあげる方もいらっしゃる。

それと同時に、「ここって、あと何年くらいで森になるものですか?」という質問をよく受ける。「早くて50年、ちゃんとした森になるのは100年くらい先かな」と答えると皆さん驚かれる。農作物のように春に種を蒔いて、秋に収穫できると思っている人はいないが、50年、100年という時間の長さは想定外だったようだ。

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岩崎 唱
NPO法人 森のライフスタイル研究所 遊撃隊員
平凡なコピーライター。緑の雇用担い手対策事業の広告制作に携わり、広報誌Midori Pressを編集。全国の林業地を巡り、森で働く人を取材するうちに森林や林業に関心を抱き、2009年の森と洋服のプロジェクトよりNPO法人 森のライフスタイル研究所の活動に参加。以来、森づくりツアーやツリークライミング体験会等の企画運営を代表の竹垣英信と共に担当。森林、林業と都会に住む若者の窓口づくりを行っています。TCJベーシッククライマー。

2015年2月27日(金)18:20

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