違法行為が横行「ブラックバイト」、専門家が対処術を伝授

■ブラック企業と地続き

ブラックバイトが横行する背景について、労働組合「首都圏青年ユニオン」の神部紅(じんぶ・あかい)委員長は「高学費の問題もある。国の教育分野での公的支出額は、日本はOECD中で最も低い」と指摘。その上で「貧困を理由に夢を諦めるような『学生の生きづらさ』にも目を向けて欲しい」と訴える。

大学を今春卒業した藤川里恵さん(中央)は学生時代に労働組合を立ち上げ、会社との団体交渉も経験。「思っていたよりハードル低い」。左は佐々木亮弁護士=31日
大学を今春卒業した藤川里恵さん(中央)は学生時代に労働組合を立ち上げ、会社との団体交渉も経験。「思っていたよりハードル低い」。左は佐々木亮弁護士=31日

また、佐々木氏も「学生時代からブラックな働き方に慣らされていく。ブラックバイトはブラック企業問題と地続きだ」と警鐘を鳴らす。

その一方で、ブラックバイトは明確な法令違反が多いため、「労働組合を通じた交渉ではほとんどの事例で解決する」(神部氏)という。「まずはブラックバイト問題を扱う労働組合や弁護士などの専門家に相談してほしい」と神部氏は話している。

【ブラックバイトから身を守るヒント】
●ブラックバイトを裏付ける証拠を記録する(ノルマ表、罰金などのペナルティー、出退勤時間など。ただし業務時間外に行うこと)
●会社とのやりとりを録音する(自分の会話の録音は適法)
●個人で会社と交渉しても潰されるか、その場しのぎの対応で終わる可能性が高い
●まずはブラックバイトやブラック企業に強い労働組合や弁護士などに相談する
●ブラックバイトは明確な法令違反が多く、労働組合を通じた交渉でほとんどの事例が解決する

※企画での事例紹介、および佐々木氏と神部氏への取材から構成

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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