【オルタナ41号】「多様性なき企業に明日は無い」カルビー松本晃会長兼CEOインタビュー

■まずはトップが宣言する

─カルビーに来て、ダイバーシティを掲げて、この会社にも抵抗勢力は出たのですか。

どこの会社にもあるのですよ。当たり前のことです。不思議でも何でもない。既得権を奪われそうになったら誰だって反対する。そこでダイバーシティは嫌いだと言って、会社を辞めるなら辞めたらいい。日本ではダイバーシティが嫌いな会社はたくさんあるのだから、そっちにいけばいい。

─日本で8割方の会社では、まだそういう状況でしょう。

しかし、世界の多くの国では、ダイバーシティは嫌いだと言っていたら、いる場所が無くなる。自分はそこで勝っていかなければいけない。女性とか外国人とか若い人と戦っていかないといけないということが分かれば切磋琢磨する。議論している暇なんかない。

─統計では、日本の全上場企業の役員に占める女性の割合は約1%です。

こんなことを社会的に議論していることが異常なのです。そういうことがあまりにも分かっていない経営者が多すぎる。そして日本も遅すぎる。

多くの大企業経営者は、いまやカッコ悪いから反対する人はいない。しかし、どれだけの経営者が本気でやっているのか分かりません。

─仮の話ですが、また別のダイバーシティが進んでいない会社に移られて、社風を変えなければいけないという時には、まずどこから手を打ちますか。

まず、経営者として宣言します。「嫌なら辞めろ」と言います。カルビーでも最初は割とおとなしく言っていました。少しずつ浸透してきたので最近は結構はっきり言っている。ダイバーシティの嫌いな人、嫌いな会社はいくらでもある。そこへ行ったらどうですかと。絶対に止めません。

─まずトップが宣言することが大事ですね。

何でもかんでも力づくで命令しているわけではないです。私がこの会社に来て我慢していることもたくさんありますから(笑)。

我慢しないことは2つだけ。一つはダイバーシティ、もう一つは社会貢献(CSR活動)。この2つだけは絶対に妥協しません。

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この続きは6月29日発売の「オルタナ41号」でお読みいただけます。
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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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