バナナペーパー、CO2削減や貧困解決に効果PR

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バナナペーパーとは、廃棄されたバナナの茎から繊維を取り出して作る紙の種類。資源の有効活用だけでなく、貧困問題の解決につながる紙として注目を集めている。「エコ名刺」で知られる丸吉日新堂印刷(札幌市)とワンプラネット・カフェ(東京・港)は2011年から、両社のノウハウを集め、アフリカ・ザンビアで独自のバナナペーパー製造・販売に乗り出した。カーボン・オフセットを付加し、CO2削減にも取り組む。(編集部=辻陽一郎)

バナナペーパー バナナの茎

バナナペーパーの原料になるバナナの茎。タマネギのように繊維質だ

丸吉日新堂印刷が最初に作った「エコ名刺」は、ペットボトル再生材を使った名刺だ。きっかけは、飲料会社から廃棄されたペットボトルを使った商品が作れないか、相談を受けたことだった。初めての試みに苦労もあったが、試作を何度も繰り返し、2002年に完成した。

「バナナペーパーやカーボン・オフセットなどの名刺を使用すると、使った人は環境への思いを語れるようになる。それが環境配慮やポイ捨てをしないといった行動に変化していく。1枚の名刺から人の意識を変えることができる」。阿部晋也社長の言葉は力強い。

丸吉日新堂印刷の阿部晋也社長

丸吉日新堂印刷の阿部晋也社長

バナナペーパーの製造は2011年、ザンビアのエンフエ村でスタートした。貧しい村では、生活のために、仕方なく違法伐採を行う人たちもいた。バナナペーパーは、廃棄されていたバナナの茎を使用するため、資源の有効活用になるだけでなく、雇用にもつながっている。

実際にバナナペーパーの製造を通じて、350人の村人が1年間生活できるだけの雇用が生まれたという。2016年1月には、ザンビアにパルプ繊維工場が建設され、事業を拡大している。さらに、国際フェアトレード認証も申請中だ。

阿部社長は、「自分が働いたお金で生きていける場を作り、彼らの自立につなげていきたい」と情熱を語った。

■ 地元北海道の自然を守る

2015年12月、COP21(第21回国連気候変動枠組条約締約国会議)でパリ協定が採択された。気温上昇2度未満を目指し、世界195カ国・地域がCO2削減といった気候変動対策を行わなければならない。

こうした背景もあり、丸吉日新堂印刷は、カーボン・オフセット付きのノートやポストカード、一筆箋などを開発した。カーボン・オフセットとは、地球温暖化防止を推進するための仕組みで、CO2排出量の削減努力を最大限行いながら、排出してしまう分は、他の場所での排出削減・吸収量等の購入により、埋め合わせるというものだ。

リング式のバナナペーパーノート。1冊購入ごとに40円がカーボン・オフセットプロジェクト「北海道・尺別山林の森プロジェクト」に寄付される

リング式のバナナペーパーノート。1冊購入ごとに40円がカーボン・オフセットプロジェクト「北海道・尺別山林の森プロジェクト」に寄付される

丸吉日新堂印刷では、マイクライメイトジャパン(東京・中央)の協力のもと、「北海道・尺別山林の森づくりプロジェクト」から創出されるクレジットを活用する。本社のある北海道の地域に貢献するためにも、商品の購入を通じて地元北海道の自然を守ることができる。

バナナペーパーなどのエコ商品は、まだ社会に普及しているとは言い難い。だが、コスト重視だった大企業でも、名刺や賞状、包装材などに、バナナペーパーを導入した事例も増えはじめている。丸吉日新堂印刷がミッションに掲げる「エコ活動の心の輪」は徐々に広がっている。

2016年4月6日(水)12:00

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