サステナブル経営の真髄はステークホルダーとの関係性

最近、サステナビリティ(サステナブル)経営を標榜する企業が目立って増えてきた。それ自体は好ましいことだが、「サステナビリティ」を単に「持続可能性」とだけ訳していると、本質を見誤る恐れがある。その真髄は、ステークホルダー(利害関係者)との長期的な関係性の構築(エンゲージメント)にある。(サステナブル・ブランド国際会議総合プロデューサー/オルタナ編集長 森 摂)

サステナビリティは一般的に「持続可能性」と訳される。だが、その直訳語では、「時間的観念」しか伝わらない。「より長く」「永続的に」という意味合いに過ぎない。

だが、サステナビリティ経営の本意は時間的観念にとどまらない。企業が地域、社会、地球規模でさまざまなステークホルダーとの関係性を強め、ステークホルダーに配慮しながらビジネスを展開することが、その真髄だ。

この点を経営陣やCSR担当者が理解していても、一般社員が理解しているとは限らない。むしろ、サステナビリティ経営を本質的に理解しているビジネスパーソンは、残念ながらまだ少数だろう。

SDGsでよく言及される「誰一人とも置き去りにしない」(Leave No One left behind)がその真髄を象徴している。さらに、ステークホルダー・エンゲージメントという言葉もサステナビリティ経営で重要な位置を占めている。

ところが、この「エンゲージメント」が多くの日本人には分かりにくい言葉になっている。エンゲージメントは普通の辞書では「約束」「契約」としか出てこないが、少し大きな辞書であれば、「(歯車の)噛み合わせ」という訳語が出てくるだろう。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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