問題解決のステップは「A3用紙1枚」で:「カイケツ」

■組織全体で問題解決に挑む

鞆まちづくり工房の松居さん(手前左)とCo.to.hanaの田中さん(右奥)

「崖の上のポニョ」の舞台にもなった瀬戸内海の港町・鞆の浦で、歴史的遺産を活用したまちづくりを行うのは、特定非営利活動法人鞆まちづくり工房(広島県福山市)の松居大祐さんだ。

松居さんは、母でNPO創設者の松居秀子さんから「御船宿いろは」の事業を受け継いだ。カイケツには、「引き継ぎをうまく行いたい」との思いから参加し、「業務の効率化と負担軽減」というテーマを掲げている。

松居さんは「カイケツに参加して、要因を探る考え方ができるようになったことが、一番ためになった。自身を含めスタッフの業務量、業務内容の見直しを行い、新しい企画を生み出せるような環境をつくりたい」と力を込める。

NPO法人Co.to.hana(コトハナ/大阪市)は、大阪市浪速区で、地域住民の「とくい(得意)」と地域で困っている人をマッチングするサービス「ひとしごと館」を運営している。

掃除や家具の修理、包丁研ぎ、アロマハンドケアといったさまざまな得意を提供する「活動会員」と、サービスを利用する「利用会員」がいるが、そのマッチング率が上がらないという問題を抱えている。

同NPOコミュニティデザイナーの田中佐也加さんは、「現場の仕組みを変えたい」という思いからカイケツに参加。「業務フローを改善することでマッチング活動頻度の低さを解消する」ことを目指す。

田中さんは、要因解析の結果、真因として「とくいの発信不足」「引き出し方のばらつき」「マッチングのNGケースの事例不足」などを挙げた。今後は、その対策として「実績や資格を記入できるようなヒアリングシートの作成」「会員同士が集まる場づくり」などを行う予定だ。

田中さんは「毎回、次のグループワークに向けた宿題が出されるが、スタッフと一緒に宿題を行うことで、気付きが生まれている」と話した。

カイケツの受講生は、立案した対策を実行し、11月までに効果確認を行う。11月27日に開催される成果発表会では、グループごとに成果発表を行うほか、一般向けにも公開される予定だ。

受講生は成果発表会に向けて「カイケツを通じて、森(マクロ)と木(ミクロ)の視点が持てるようになった。A3資料が、『絵に描いた餅』にならないように頑張りたい」「意識を高めるだけではなく、きちんと行動にしていきたい」と意気込んだ。

講座終了後、オプショナル講座として、オルタナの森摂編集長が参加NPOのプレスリリース添削を行った。森編集長は「世の中に社会課題を広めていくのも、NPOの大事な役割。活動にはぜひ名前を付けてほしい。広報は引き算で、言葉は短い方が心に残る。伝えたいことや大事なキーワードを絞り込み、見出しはできるだけ13文字、長くても25文字以内にまとめてほしい」と話した。

◆第1ステップ「テーマ選定」――組織や人のせいにしない、トヨタ式「問題解決」

◆第2ステップ「現状把握」――「自分がやった方が早い」から抜け出す

◆第3ステップ「目標設定」・第4ステップ「要因解析」――「作業のやり直し」をどう減らすか

<トヨタ自動車の「問題解決」の8ステップ>

1.テーマ選定:
改善したい課題を1文にまとめるステップ。テーマを読めば、改善の狙いが理解できるように表現する。「どこで」「何を」「どのように」の3項目を具体的に書く。

2.現状把握:
問題が起きている事実を定量的に把握するステップ。事象をデータ化し、問題点を絞る。主観ではなく、多くの客観的な事実を集めて定量的に整理する。

3.目標設定:
目標を設定するステップ。その目標を達成すると、選定したテーマを解決できるレベルに設定する。

4.要因解析:
原因についての真因を探るステップ。事象に対して、5回の「なぜ」を繰り返す。現状把握と混同して考えてしまいがちだが、現状把握では要因は書かない。事実だけをまとめる。

5.対策立案:
要因解析で見つけた真因を解決するための対策を立てるステップ。真因ごとに、「対策内容」「担当者」「期限」に分けて記入する。真因への対策をいきなり考えるのではなく、方向性を明確にしてから、アイデアを出していく。

6.対策実行:
実行する対策の内容やスケジュールをまとめるステップ。

7.効果確認:
実施した対策内容によりどの程度効果が出たのかを評価するステップ。

8.標準化と管理の定着:
効果の出た対策の内容を標準化し、定着させるステップ。同じ問題の再発を防ぐことができる。

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2018年8月20日(月)11:57

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