エシカルは優良顧客戦略:ストライプ石川社長(1)

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■ストライプインターナショナル・石川康晴社長ロングインタビュー(1/4)

アパレル大手ストライプインターナショナル(岡山市、石川康晴社長)が基幹ブランド「earth music&ecology」を立ち上げてから20年余りが過ぎた。当初から「エシカル(倫理的)」をコンセプトにしていたのは先見の明だが、この数年でようやく顧客の意識が追い付いてきた。石川社長はエシカルを掲げる目的は「ロイヤルカスタマー(優良顧客)」の開拓戦略だと言い切る。(聞き手・オルタナ編集長=森 摂、池田 真隆 写真=飯塚 麻美)

インタビューを受けるストライプインターナショナルの石川社長

「エシカル」を打ち出したアパレルCMは日本初

――今年2月から放送した、女優の広瀬すずさんと是枝裕和監督を起用した「earth music&ecology」のテレビCMで「エシカルへ」と打ち出しました。おそらくエシカルを打ち出したCMは日本で初めてだったのでは。

石川:アパレル企業が「エシカル」をテーマに生産現場をCMで見せたのは世界初かもしれないですね。

広瀬すずさんを起用して「エシカル」を訴求した広告は第67回朝日広告賞「広告主参加の部」において、グランプリを受賞

――どのような意図で企画したのでしょうか。グローバルで「エシカル」は当たり前ですが、日本ではまだ早すぎるという意識はなかったですか。

石川:当社はもともと「フェアサプライチェーン」という概念を持って経営しています。「強制労働をさせない」「三大公害を出さない」「繁忙期にも長時間労働をさせない」――というものです。

近年では工場現場を見に行きたいと思う若い消費者が増えています。その一方で、すべてのファストファッションは単価を下げるために強制労働に関与しているように見られて、世間からまるで悪者のように見られていることも自覚していました。

すべてのファッションブランドがそうではないため、その間違ったイメージを止めるために問題提起したかったし、「少なくとも私たちは違うぞ」と世間に伝えたかったのです。

カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた映画「万引き家族」の監督をした是枝裕和さんにお願いして、一緒に東南アジアに行ってもらい工場で働く19歳の少女にインタビューを行いました。そして、「エシカルへ」というメッセージを広瀬すずさんの言葉に乗せました。

これにより、朝日新聞社から「朝日広告賞」の最高賞をいただきました。良い流れは起きていると思っていますが、まだ世論に突き刺さっている手応えまでは感じていません。一部のリテラシーの高い人にだけ刺さっているという認識です。

アパレル産業は世の中に与える影響が大きい

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2019年8月21日(水)17:15

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