書評『Q&A SDGs経営』(笹谷秀光著)

そのストーリーと問いは、第1章SDGs経営とは 21問、第2章ESG/SDGsのイロハ 14問、第3章SDGsとトップの役割・戦略・技術 16問、第4章SDGsの事例・業界ごとの特徴・地方創生ビジネス 2問(業界事例・総括11)、第5章SDGsの海外事例と五輪・万博 23問、第6章SDGsの経営への導入プロセス 25問、計101問。SDGsについて知っておくべき事を網羅し、101の答えに凝縮されている。

101という数字。偶然か否か、いわゆる「ワン・オー・ワン」。米国の大学での基礎あるいは入門科目のコード番号だ。だから、SDGsと経営プロセスの取り組みの基礎を覚えて世間の流れにしっかりとついていくように、とだけ解釈したら本書に込められた著者のメッセージの半分も伝わっていない。

もはや後戻りしないであろうSDGsというグローバル・メガトレンド。世界では読み解きするフェイズは終わり、SDGsの実践方法、新たなルール形成、連繋の組み換えなどゲーム・ルールやデファクトスタンダードの変更が着々と進む。

日本はどのくらい遅れているのか。SDGsに基づく調達基準の変更への対応ひとつとっても「置いていかれ感」が充満する。ルール作りにも事業にも参画できない危機感、どんどん世界から置き去りにされ手をこまねくしかない怖さ。

これらが、SDGsの最たる特徴であり、同時に日本(人)が苦手な「自主性に任せられた取組み」に由来するからこそ、本書で早く知ろう、早く学ぼうということなのだろう。

いたずらに不安を煽っているだけではない。対処する道標も本書は忘れない。2000年代初頭からのCSR→ISO26000→CSV→SDGsの流れがそれだ。それぞれが独立無縁の考え方ではない。経済的価値と社会的価値の両立、取り組み方、そしてその対象を発展させてきた流れだ。まったくの白紙からSDGsを経営プロセスへと組み込みを行うのではない。

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2020年2月21日(金)17:04

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