新型コロナ、英国が「ドライブスルー」や自宅で検査

英国政府は3月5日、伝染病対策行動計画に基づく「封じ込め」フェーズから「感染拡大をできるだけ遅らす」フェーズに引き上げた(スコットランドを省く)。英国内での感染者数が116人(※)に達したことを受けた。感染者の初期発見と隔離に重点をおき、類似症状を訴える患者全員を検査していく。現在、病院の隔離ポッドでの検査、自家用車に乗ったまま受ける「ドライブスルー」検査、看護師の自宅訪問と3通りの検査体制が敷かれている。(ロンドン=冨久岡ナヲ)

救急病院の入り口前に置かれた隔離検査ポッド

疑わしい症状を自覚した場合、英国政府は「診療所や救急病院に直接来院しないこと。まず111番(医療アドバイス番号)に電話」することを徹底して伝えている。

コロナかもと思ったら絶対に病院内に入らないでください」と書かれた入り口の告知板

電話での問診のあとで検査に進む場合は、病院敷地に特設された隔離ポッドを利用する、自家用車で病院駐車場に設けられた「ドライブスルー」スタイルの検査ポイントに行く、または看護師や救急隊員が自宅訪問、という3通りの検査方法の中から指示に従う。ドライブスルー検査は先週から韓国でも行われている。車から降りずに検査を受けられることで医療スタッフとの対面接触度を軽減し、病院内部での感染拡大も抑えることができる。

すでに全国11の大型病院と100の診療所で、感染者発生国への渡航歴があってもなくても「疑わしきは全て検査」が実施されている。フェーズの引き上げにより新たに8つの病院が加えられた。また、感染の可能性があると思ったら自主隔離することを強く推奨している。

伝染病対策行動計画には4つのフェーズがあり、現在は2段階目だ。ここで状況の改善が見られない場合は「被害の最小化」フェーズへと移行する。今後は感染をなるべく初期段階で発見すること、軽症者を自宅隔離することにより重点をおき、感染の拡大スピードをできるだけ遅らす努力を重ねていく。

※3月6日夕方時点でのUK感染者数は163人、死者1人(日本の病院で死亡したクルーズ船乗客を省く)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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