脱「おじさん」が競争優位:OECD東京センター所長

■オルタナ本誌61号「FEATURE STORY 新型コロナと持続可能性」 から

コロナ後の社会には「正解」がない。イノベーションが不可欠 だ。多様性はイノベーションの源泉と言い切るOECD東京セ ンター村上由美子所長にコロナ後のダイバーシティを聞いた。

OECD東京センター村上由美子所長

各国のコロナ対策を見比べると、企業にとって組織づくりの参考になる。特徴的なことは、成功している国のリーダーは女性が多いということだ。ニュージーランドを筆頭に、台湾、ドイツ、フィンランド、アイスランドなどがそうだ。

注目すべき点は、意思決定のプロセスにある。アドバイザーに同一性の高い人を揃えることはなく、様々な視点を持った専門家から平等に意見を聞き、客観的に判断を下す。「聞く耳を持っている」ということに関しては女性の方が長けているのかもしれない。

日本が学べる成功例が台湾だ。早くから入国制限措置をとったことで、国民の立場からすると経済的な損失も少なくないが、納得感はあった。

その理由は、政府がエビデンスに基づいたアプローチを取ったからだ。納得感があるからトラストにつながる。一方、日本はどうだろうか。意思決定のプロセスが不透明で、コロナ対策への国民の納得感は低い。そのため、感染者や死亡者数が低いにも関わらず、政府の支持率は急落した。

新型コロナの教訓は、コロナが起きる前からあった社会の分断がより鮮明になったことだと考えている。米国では黒人差別が表面化し、日本でも貧富の格差が深まった。日本でも暴動が起きないとは限らない。格差が広がる中で、持続可能な社会をどうつくるべきか。コロナ後は「正解」がない社会に突入する。経験則も生きない。そこでカギになるのは、ダイバーシティに間違いない。私は、「思想のダイバーシティ」と名付けているが、社会全体で、ダイバーシティはイノベーションの源泉であるという認識を共有する必要がある。

多様性なき企業 市場から淘汰

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2020年8月26日(水)18:54

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