発光する藻類で青く光るエコランプ

■世界のソーシャルビジネス 欧州編 デンマーク

発光生物を利用した変わった省エネが誕生しそうだ。コペンハーゲンのスタートアップが発光する藻類の遺伝子を街路樹に入れて、木を光らせる研究を続けている。その第一段階として青く光るエコランプを開発した。透明な容器に光る藻を入れ、太陽光に当てた後、振って光らせる仕組みだ。(チューリヒ=岩澤里美)

高校時代の親友3人で設立。右からクリスティアンCEO、シーンさん、マイケルさん

アルーメン社は2018年8月、「アルジー・ランプv1」(約4300円)の販売を開始した。ランプの容器には、120ミリリットルの夜には、海水と栄養分、さらに何百万もの小さい藻が入っている。日中に日光か電灯を当てておくと、夜には光るようになる。

強く振ると30秒ほど明るく光り、優しく振ればおよそ10分光り続ける。夜用ライトの代わりにはならないが、一種の照明になる。

この藻は昼夜が分かるリズムを内包し、光るためのエネルギーを光合成によって作り出す。さらに物理的な刺激を受けると光る性質を持つ。蓋がフィルターになっていて、 光合成に必要なCO2は、蓋を通して大気中から取り込む。

藻から放出される酸素は蓋を通して容器外へ出される。基本的に蓋は閉めておき、4─6カ月間経過して藻が光らなくなったら新しい藻と交換する。交換用の藻はアルーメン社から購入できる。

現在はデンマーク国内のみでの販売だが、今後改良を重ね、将来はEU内でも販売する可能性があるという。

「光る街路樹」で省エネも

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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