セブンとサラヤ、PB商品で「エシカル消費」を加速

セブン&アイ・ホールディングスは11月11日、サラヤと共同企画した環境配慮型の洗剤・衛生用品を新発売することを発表した。洗剤には持続可能な認証パーム油を使っているほか、製品の売り上げの一部が環境保全活動やアフリカの衛生環境改善プロジェクトに寄付される。洗濯用洗剤や手指用消毒スプレーなど各種製品を16日から順次、セブン‐イレブンやイトーヨーカドーなど約2万1600店で販売する。(オルタナ副編集長=吉田広子)

セブンとサラヤが共同で企画した環境配慮型の新シリーズ

「創業時からビジネスを通じて社会問題の解決に取り組むサラヤと、商品を通じて環境やSDGs(持続可能な開発目標)に貢献したいという当社の思いが一致した」

セブン&アイ・ホールディングスの石橋誠一郎常務執行役員・グループ商品戦略本部長は共同企画の背景を説明する。

「プライベートブランド(PB)『セブンプレミアム』の売り上げは累計10兆円を達成したが、規模を追い求めるのではなく、価値訴求PBとして、1品あたりの顧客の支持を重視している。温暖化や森林破壊、海洋プラスチックごみ問題など、環境問題が深刻化し、マーケットが変化するなか、私たちも持続可能な未来につながる商品を提供し、『エシカル消費』を進めなければいけないと考えた」(石橋常務執行役員)

今回の共同企画では、プライベートブランド「セブンプレミアムライフスタイル」の商品として「ヤシノミ洗たく洗剤」「ヤシノミ柔軟剤」「薬用泡ハンドソープ」「手指消毒スプレー」の本体・詰替え商品を発売する。

売り上げの一部は、WWF(世界自然保護基金)、ボルネオの環境保全を行うBCT(ボルネオ保全トラスト)、日本ユニセフ協会と協力して実施している「SARAYA 100万人の手洗いプロジェクト」に寄付される。

サラヤの更家悠介社長は「セブン&アイグループは圧倒的な消費者とのコミュニケーション力、店舗のネットワークがある。サラヤとしては地球や地域を持続可能に次世代につなげていくというバリューを提供し、お客様とともに実現していきたい」と意気込みを語った。

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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キーワード: #エシカル

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