被災地ファンド、半年で約4億円を調達

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屋上まで波をかぶった石渡商店の元工場

被災地の中小企業が小口ファンドで資金を集め、立ち上がりつつある。「セキュリテ被災地応援ファンド」は、津波などで多くを失った事業者に1口1万円から投資できる金融商品。募集開始から半年で、1万人を超える参加者から約3億9000万円を調達し、被災企業の早期再建に貢献している。

同ファンドは、ミュージックセキュリティーズ(東京都千代田区)がアーティスト支援の仕組みを生かし、被災地の6つの事業者と連携して4月25日に立ち上げた。その後、人と人とのつながりで事業者が増え、現在は19種類、総額5億7010万円のファンドを扱っている。

1口1万円のうち5000円は「応援金」として事業者に寄付され、残りがリターンあるいはリスクを伴う投資となる。手数料を加えても1万500円から購入可能な小口ファンドだ。

参加者は、同ファンドの説明会やウェブサイトで、社長や従業員の顔や被災と復興の状況を知ってから投資ができる。募集金額が集まると事業者がしたためた直筆の感謝状が公開され、事業が再開すると参加者には口数に応じた水産加工物が届くなどの「特典」がある。

ファンドを募集中の石渡商店(宮城県気仙沼市)は、54年間ふかひれの加工技術を磨いてきたが、津波で事務所も工場も失った。内陸寄りに新工場を設立する資金の一部として、1万口(1億円)を募集中だ。3代目の石渡久師(いしわた・ひさし)専務取締役は「技術があっても設備がなく、サメを加工できない。早く体制を整え、気仙沼のふかひれブランドを守りたい」と意気込みを語る。同商店のファンドは、既に2000人以上に購入されている。

かまぼこや煮ダコなどを加工販売するマルセン食品(宮城県南三陸町)は、2010年2月末に店舗を新装開店した。開店イベントの最中にチリ地震の津波警報が入り、避難を経験している。そのときには波が来なかったが、今回は駄目だった。三浦洋昭(みうら・ひろあき)社長は「借金して改装したが全部流された。また設備をそろえるための資金が要る」と話す。同社は2000口を募集中だ。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)

セキュリテ被災地応援ファンド http://oen.securite.jp/

2011年10月31日(月)8:55

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