自治体が入札で企業のCSRを重視、全国で「総合評価方式」広がる

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土建業者にもボランティア意識が強く求められている

公共工事の入札で、自治体が入札業者のCSR(企業の社会的責任)を重視する傾向が広がっている。

評価基準にボランティア活動や地域貢献の実績を織り込んだ「総合評価方式」の入札制度を取り入れる自治体が増え、項目の得点を引き上げる動きも見られる。CSRは入札の「必須科目」という時代の流れが鮮明になってきた。

千葉市は今年度、ボランティア評価を2点満点から「5点満点」に引き上げた。また、年度をまたいだ長期のボランティアに当たる場合、これまでは発生年度に1回の活動とみなしていたところを各年度の1回ずつに、一つの災害で数種類の活動をした場合は複数回と認めるなど、評価基準を見直した。

建設局の入札担当者は「やはり東日本大震災の影響が大きい。千葉も『被災地』で、災害ボランティアに当たることが一番の地域貢献になるからだ」と説明する。

千葉市などが取り入れている「総合評価方式」は、過度の価格競争に陥りがちだった従来の入札制度の反省を踏まえ、CSRや価格以外の技術力なども評価の対象として点数化する新しい制度。2004年に国がガイドラインをつくり、全国の自治体に導入が広がっている。

総務省によれば、04年度に京都市が本格導入したのを皮切りに、10年度までに全都道府県と政令指定都市が導入。その他の市区町村でも、09年度に57.5%だった導入率が10年度には61.7%に増加している。

ボランティアについては、国のガイドラインは「地域貢献」の一環として位置づけており、自治体との災害協定に基づいて出動した場合や、地域内での清掃活動などが対象となる。このため、特に災害の多い地域で関心や導入の割合が高まっているとみられる。

公共工事やボランティアに詳しい名古屋工業大学大学院の秀島栄三教授(土木計画)は「自治体にとってデメリットは少なく、入札担当者が知っていればあとは導入するだけ。ただ、ボランティアは押しつけられてやるものではなく、建設業はもともと社会貢献だという考えもある。地域ごとに十分理解を深めていく必要があるだろう」と話している。(オルタナ編集委員=関口威人)

2012年5月17日(木)9:45

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