記事のポイント
- COP28で日本は温暖化対策に後ろ向きな国に与えられる「化石賞」を受賞した
- 初めて受賞したCOP25から4年連続で不名誉な賞が贈られた
- 化石賞はCOP期間中の交渉内容をもとに環境NGOが受賞国を決める
アラブ首長国連邦(UAE)で開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)において、環境NGOは3日、温暖化対策に後ろ向きな国に贈る「化石賞」に日本を選んだ。初受賞したCOP25から4年連続だ。化石賞は、COP期間中の交渉で、気候変動対策を後退させる言動を行なった国に与える不名誉な賞だ。(オルタナS編集長=池田 真隆)
化石賞は、気候変動に取り組む世界最大規模のNGOネットーワークを持つCANインターナショナルが、気候変動対策を後退させる言動を行なった国に与えるものだ。
NGOが問題視したのは、日本政府の火力発電に関する計画だ。日本政府は、火力発電の燃料に、石炭と水素・アンモニアを混ぜる計画を持つ。2030年に20%程度混焼する計画だが、実証段階で実現可能性は不透明だ。
アンモニアは燃焼時にはCO2を排出しないが、生成時に排出する。火力発電の廃止時期も定めていないことも指摘された。
水素・アンモニアとの混焼・専焼、CCSを組み合わせることで実現を目指す「ゼロ・エミッション火力」をアジア諸国に拡大していく戦略についても批判が集まった。
COP28の期間中、米国が、脱石炭世界連盟(PPCA)に加盟することを発表した。G7でPPCAに加盟していない国は日本だけになった。