日本で気候変動を「最も迫った国際問題」と思う人は48%に

記事のポイント


  1. 米コンサルティング会社が気候変動についての意識調査を実施した
  2. 日本では、48%が気候変動を「最も差し迫った国際問題」と認識している
  3. 「政府から一貫したメッセージを受け取っている」と感じている人は37%だった

米コンサルティング会社APCOワールドワイドはこのほど、WBCSD (持続可能な開発のための世界経済人会議)と提携し、日本を含めた39カ国、2万4300人を対象に、気候変動についての意識調査を実施した。日本では、回答者の48%が気候変動を「最も差し迫った国際問題」と認識していると回答。「気候変動への取り組みについて政府や組織から一貫したメッセージを受け取っている」と感じている人は37%にとどまった。(オルタナ副編集長=吉田広子)

ソクチャン省の中学校で、植物の苗を手に持つ15歳のラムさん。授業で、気候変動は家族や友人にどのような影響を与えるかを学んだ。(ベトナム、2023年5月撮影) © UNICEF_UNI401442_Viet Hung
ソクチャン省の中学校で、植物の苗を手に持つ15歳のラムさん。授業で、気候変動は家族や友人にどのような影響を与えるかを学んだ(ベトナム、2023年5月撮影) © UNICEF_UNI401442_Viet Hung

同調査では、回答者の43%が気候変動を「関心の高い地球的規模の問題における最大の懸念事項」に挙げ、60%が「気候変動について語る組織などが発信する情報が不足している」と回答した。

最も気候変動への懸念が高かった国は、ケニア (56%)、イタリア(56%)、次にポルトガル (54%)だ。最も懸念が低い国はロシア (22%)、次にヨルダン (28%)だった。

日本では、回答者の48%が気候変動を「最も差し迫った国際問題」と認識し、37%が「気候変動への取り組みについて政府や企業から一貫したメッセージを受け取っている」と回答した。

最も関心のある地球規模の問題として、気候変動問題の次に、政府や企業の汚職行為(34%)、紛争と戦争(32%)、社会におけるさまざまなグループ間の不平等(29%)が続いた。

■気候変動の「定義」、若者の半数のみ正解

一方、次世代を担う子どもたちの気候変動への認識は、各国で大きな差があることが分かった。

ユニセフ(国連児童基金)とギャラップ社が行った世論調査によると、大方の子どもと若者が気候変動について「聞いたことがある」と答えたものの、それが何であるかを理解しているのはわずか半数だった。

同調査によると、55カ国(日本を含む)の15歳から24歳までの若者の平均85%が、気候変動について「聞いたことがある」と答えた。しかし、気候変動の定義が「毎年起こる季節的な天候変化」と「人間活動に起因する異常気象の増加や世界の平均気温の上昇」(国連気候変動枠組条約の定義)のどちらであるかを選択するよう求められたところ、後者を正しく選択したのは、わずか50%だった。

同調査によると、気候変動に関する知識を持つ若者の割合は、パキスタン(19%)、シエラレオネ(26%)、バングラデシュ(37%)といった、気候変動の影響を最も受けやすい下位中所得国や低所得国で最も低いことが明らかになった。

yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

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キーワード: #脱炭素

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