記事のポイント
- 日本でも「ビジネスと人権」への関心が高まっている
- 国連ビジネス人権の作業部会は、「国家人権機関」の不在を指摘
- 超党派の議員連盟は、24年の通常国会で人権DD法案の提出を目指す
「国連ビジネス人権の作業部会」が2023年夏に初めて公式来日し、ジャニー性加害問題を調査したことで、日本でも「ビジネスと人権」への関心が一気に高まった。同部会は「日本には独立した国家人権機関がないことを深く憂慮する」と指摘。24年6月に最終報告書を提出する予定だ。(オルタナ副編集長・吉田広子)
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国連ビジネスと人権の作業部会は、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGPs)のもと、世界各国で調査を行っている。UNGPsは、2011年に国連人権理事会で合意した国際基準だ。
責任あるビジネスを推進するため、企業に対して、人権リスクを特定し、対策や予防策を講じる「人権デュー・ディリジェンス(DD)」を求める。
欧州や米国では、人権DDを義務付ける法制化が進む。
英国では15年に現代奴隷法が施行した。米国では、新疆ウイグル自治区が関与する産品輸入を原則禁止するウイグル強制労働防止法を22年に施行。欧州議会は23年6月、企業のサステナビリティ・デューデリジェンス指令案のドラフトを採択し、最終合憲に向けて議論を進める。
早ければ26年にも企業への適用が開始する見込みだ。
(この続きは)
■超党派の議連、24年に人権DD法案提出を目指す
■日本政府の施策に「大きな穴」
■「LGBTQ」「障がい者」「先住民族」に高い人権リスク