記事のポイント
- ジェンダーの固定観念を刷り込まない教育が欧州で進む
- デンマークでは、すべての小学校で子どもたちが性教育週間に参加する
- 性の多様性を受け入れる価値観が誰もが「生きやすい」社会実現につながる
ジェンダーの固定観念を刷り込まない教育が欧州で進む。デンマークでは、すべての小学校で子どもたちが性教育週間に参加する。性の多様性を受け入れる価値観の醸成がすべての人が「生きやすい」社会実現につながる。(オルタナ編集部)
ジェンダー平等が進む欧州では、「包括的な性教育」を行ってきた。身体的な発達に関する学習のほか、セクシュアリティの認知や性差別の防止、ジェンダー不平等への考察などが含まれる。
デンマークのすべての小学校では、授業が始まって6週目に、「性教育週間」を行ってきた。
この1 週間の間に、子どもたちは身体の仕組みやLGBTQなどの性に関する権利を学ぶ。各自治体や学
校が毎年、学年ごとにテーマを決める。ジェンダーやセクシュアリティ問題に取り組むNPOセックス&サムファンドが教材を作成する。
教材の中には、SNS上での性的な要素を含む投稿についての約束事を学ぶものやステレオタイプな身体的理想に悩まないための映画を用いた授業など、SNSが普及する現代に起こりやすい内容も取り上げる。
デンマーク・ロラン島在住の翻訳家ニールセン北村朋子氏は、「子どもは周りの大人から性差別を読み取ってしまう場合も多い。デンマークでは、そのような知識がつく前に性教育を行うことが重要だと考
えられている」と説明する。
■大人の偏見もなくす