記事のポイント
- 「東京レインボープライド2024」が渋谷で開かれ、約27万人が来場した
- パレードには1万5000人が参加し、「変わるまで、あきらめない」と訴えた
- 協賛団体数も過去最高を達成し、LGBTQ理解の機運が高まっている
認定NPO法人東京レインボープライドは4月20―21日、「東京レインボープライド2024」を代々木公園(東京・渋谷)で開き、のべ約27万人が来場した。21日のパレードには1万5000人が参加し、渋谷の街を歩きながら「変わるまで、あきらめない」と訴えた。参加者数や協賛団体数も過去最高を達成し、LGBTQ理解の機運が高まっている。(オルタナ副編集長=吉田広子)
東京レインボープライドは、LGBTQ当事者やアライ(支援者)とともに、「『性』と『生』の多様性」を祝福するアジア最大級のLGBTQ+関連イベントだ。つながる場を提供することで、性的指向および性自認にかかわらず、すべての人が差別や偏見にさらされることなく、より自分らしく生きていくことができる社会の実現を目指す。
東京レインボープライドが始まった2012年当初の参加者数は4500人で、10年で約60倍にまで成長した。企業からの注目度も年々高まり、協賛団体は過去最高の314社・団体に上った。
2024年は、最上位のスポンサーであるチェリオグループ、パナソニック コネクト、パナソニックグループをはじめ、セガサミーやLVMH、三井住友トラスト・グループ、Spotify(スポティファイ)、アマゾン、サントリー、イオン、ウォルト・ディズニー・ジャパンなど多種多様な企業・団体が協賛した。各ブースでは、ブランドロゴや製品がレインボーに彩られた。
このほか、米国大使館やカナダ大使館、東京都や渋谷区役所、中央大学やお茶の水女子大学など、さまざまなセクターがブースで出展した。
ステージでは、大黒摩季さんや清水ミチコさん、AAAの與真司郎さん、ちゃんみなさんなどが、歌やトークで盛り上げた。
同性婚を巡っては、各地で「結婚の自由をすべての人に」訴訟が起きている。全国初の控訴審である札幌高裁は2024年3月、法律上の性別が同性であるカップルの婚姻を認めない民法や戸籍法の規定は「違憲」と判断した。
2023年6月に施行したLGBT理解増進法に基づき、企業にも努力義務としてLGBTQ対応が求められている。こうした動きはさらに加速しそうだ。