ドコモ東北、震災の教訓生かし復興支援を強化

(左から)助けあいジャパン福島支部統括マネージャー長谷川雄介氏、 北いわて未来ラボ理事中平均氏、 共生地域創造財団コーディネーター小笠原啓太氏

■ 現場のニーズに合った支援を

中でも復興活動を行うNPOなど市民活動団体への助成事業は、行政や民間企業の手が届かない「地域コミュニティの再生」や「観光産業振興」など被災地に寄り添う取り組みが多い。

震災3年目を迎える今「復旧から復興へ」と状況変化したものの、いまだに被災地の整備は完了せず、およそ27万人が避難を余儀なくされているからだ。

東北復興新生支援室の「笑顔の架け橋Rainbowプロジェクト」は、スタッフも「現場思考」を大切にしながら、本業であるモバイル事業で被災地を全力でサポートしている様子が伺える。

支援先の一つ、公益社団法人助け合いジャパン(東京都港区)は、福島県内外に避難している人たちを訪問し、ドコモタブレット端末の操作説明を行うとともに、避難している方からの動画メッセージを作成。避難世帯に配布しているタブレットへ動画配信することで絆の再生を図る。

特定非営利活動法人北いわて未来ラボ(岩手県久慈市)は、まちの新しい名物「三ツ星丼」を作る過程を、モバイル端末で楽しく撮影、視聴していくことで子どもたちがまちづくりに参加するきっかけを提供。

野田村の小学生を対象にドコモタブレットを活用し、ゲーム感覚で地元食材を探す体験イベント「のだもん~うまい食いもんさがすのだ」を実施。

公益財団法人共生地域創造財団(宮城県仙台市)は、在宅被災世帯の生活支援において、モバイル端末とクラウド技術を活用することで、より効果的な運営と正確な状況把握を促している。

■ NPOの資金調達も支援

さらに、東北復興新生支援プロジェクトは、新たにクラウドファンディング(オンライン上の資金調達)を活用したNPO支援プログラムを4月1日から開始することを発表。

被災地で復興支援活動を実施しているNPOの資金調達を支援するプログラムで、クラウドファンディングサイト「JustGiving(ジャストギビング)」と連携し、4月1日から活動を開始する。

これにより、個人ユーザーからの寄付を集められやすくなり、さらに情報配信などをするためのタブレット貸与や活動準備金(50万円/団体)の寄付が実施される。

今回選定するNPOについては、ジャストギビング内のサイトで紹介、寄付の決済手段としては「ドコモ口座」残高からの支払いや携帯料金との合算など支払いが選べ、モバイルを活用した簡易な寄付が可能となる。

まずは、4月から第1期として2013年度の助成先(10団体)に対して支援を行い、2014年度下期に予定している第2期プログラムでは、行政および中間支援団体からの推薦のあったNPOなどを対象に選定、支援を実施する予定。

今後も、通信の確保以外に、安心安全への向上意識、社員一人ひとりの復興を意識した改革に注目したい。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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