記事のポイント
- エクリプス・フーズ・ジャパンはプラントベースアイス「エクリプスコ」を製造・販売する。
- ミシュランシェフがクリーミーでなめらかなエクリプスコを開発した。
- 複数の植物由来原料を組み合わせて乳製品のような口当たりを再現した。
米カリフォルニア発食品ベンチャーの日本法人エクリプス・フーズ・ジャパン(東京・千代田)は、植物由来原料だけで作ったプラントベースアイス「エクリプスコ」を製造・販売している。手掛けるのは、ミシュランシェフのトーマス・ボウマン・エクリプス・フーズCEOだ。乳糖を消化できない「乳糖不耐症」だったことから、100%植物性アイスを開発した。(オルタナ総研=坂本雛梨)
エクリプス・フーズ・ジャパンは、カリフォルニア発のスタートアップ企業Eclipse Foods Coの日本法人だ。
トーマスCEOは2011年にスローフードをテーマにしたカンファレンスで、「フードシステムの崩壊はシェフの責任でもある」と聞き、衝撃を受けた。当時、同氏は娘が生まれたばかりで、「次世代のためにより良いフードシステムを残したい」と強く思った。
「私は乳糖不耐症だったので、これまでオーツやアーモンドなど様々な代替乳製品を試したが、それらは乳製品の味と大きく違った。乳糖不耐症とは乳糖を消化吸収できずに腹痛や下痢を引き起こす病気だ。日本人の4人に1人が乳糖不耐症というデータもある。誰が食べても美味しく、乳製品と見分けがつかないような代替乳製品を作りたいと思い、エクリプス・フーズを立ち上げた」(トーマスCEO)
干ばつに強い複数の植物(キャッサバ、じゃがいも、菜種、とうもろこし)を組み合わせて使うことで、エクリプスコでは乳製品のような濃厚でクリーミーな口当たりを再現することに成功した。さらに、乳製品のアイスクリームと比較して、製造過程における温室効果ガスの排出量を65%削減した。
エクリプス・フーズ・ジャパンは9月29日まで、東京・外苑前にある「星野キッチン Hanare」で、ポップアップストアを開催している。米国で人気フレーバーのアイスのほか、沖縄県産パイナップルや自家栽培のフレッシュミント、青森県の津軽メロンやスモモなどを使用したスペシャルシェイクのメニューを楽しめる。
このほか、都内のファミリーマート約300店舗でも、エクリプスコを販売している。