キリン、紅茶農家の再生農業への移行をカードで後押し

記事のポイント


  1. キリンは環境NGOと組んで紅茶農家の再生農業への移行を後押しする
  2. 再生農業への移行に向けた課題などが分かるスコアカードを開発した
  3. 24年にパイロットテストを実施し、国際認証の取得支援も行う

キリンは環境NGOのレインフォレスト・アライアンス(RAN)と組んで紅茶農家の再生農業への移行を後押しする。紅茶農園を対象に、再生農業の移行に向けた課題などが分かるスコアカードを開発し、2024年にパイロットテストを実施した。同ツールを通じて、国際認証「レインフォレスト・アライアンス認証」の取得支援も行う。(オルタナ編集部=萩原 哲郎)

「カード」で農家の持続可能性を高める

キリンとRANが共同で開発した「リジェネラティブ・ティー・スコアカード」は、再生農業を農家自身の判断で進められるツールだ。

「キリン 午後の紅茶」に使用する紅茶葉の主な生産国であるスリランカの一部の紅茶農園が対象だ。2023年10月から共同で開発をスタートし、24年中にパイロットテストを実施する。

スコアカードはRANの再生農業の定義に基づき、土壌の健全性、農園内の生物多様性の保全、生態系の回復、農園で働く人などの生活向上を促進する方法を提示する。再生農業への移行に向けた改善点などを明らかにすることができる。

日本が輸入する紅茶葉のうち、約50%がスリランカ産だ。そのうち24%は「キリン 午後の紅茶」に使用する。同社は2013年から「レインフォレスト・アライアンス認証」の取得支援活動を行い、2022年末までにスリランカの認証取得大農園の3割に相当する94の大農園が認証を取得した。

今回のスコアカードはこういった取り組みを小農園にも広げていくものになる。紅茶農園の再生農業の実践を支援し、原料生産地の持続可能性の向上を目指す。

同社の「環境報告書2024」では、「パイロットテストで得られる知見やデータを活用して、今後スリランカ以外の紅茶葉生産地への展開も視野に入れている」と言及した。

萩原哲郎

萩原 哲郎(オルタナ編集部)

2014年から不動産業界専門新聞の記者職に従事。2022年オルタナ編集部に。

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キーワード: #生物多様性#脱炭素

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