記事のポイント
- 岩手県矢巾町は、町内の店舗で「米」由来のレジ袋の利用をはじめる
- 製造するのは、2024年1月設立の地元企業・バイオマスレジン北日本だ
- 廃棄米をバイオマス資源として活用し、脱炭素や農業活性化に貢献する
岩手県矢巾町はこのほど、「米」由来のレジ袋を町内のお店に導入する。地元企業のバイオマスレジン北日本(岩手県矢巾町)が製造を手がける。従来は捨てられていたお米をバイオマス資源として活用し、脱炭素や地域農業の活性化に貢献する。(オルタナ編集部=松田 大輔)
深刻な米不足が叫ばれた2024年。その一方で、農家では廃棄せざるを得ない米があった。高温で傷んでしまったり、割れてしまったりすると、食用として米を売ることは難しくなる。
岩手県矢巾町はこのほど、そうした廃棄米から作ったレジ袋の利用を始めた。まずは町内のスーパー数店舗で導入し、順次広げていきたい考えだ。
製造するのは、地元企業であるバイオマスレジン北日本だ。「米」由来のレジ袋は、脱炭素への貢献も期待される。家庭用のごみ袋としても利用可能だ。
同社の松田総務部長は「地域農業の活性化にも貢献したい」と話す。「傷んでしまったお米を農家から買い取れば、農家は、食用や飼料以外でもお米を売れるようになる」
少子化などの影響により、米の需要は減少トレンドが続く。2023年の主食用米の生産量は661トンで、2013年の818万トンから、10年間で約19ポイント減少した。食用以外での収益源をつくることができれば、地域農業の活性化につながる。