記事のポイント
- EUの気象機関は11月7日、2024年の世界平均気温の見通しを発表した
- 2024年の平均気温は、産業革命前と比べて「1.5℃」以上上昇する見込みだ
- 対策のために、COP29で各国が協調できるかが問われている
EUの気象機関は11月7日、2024年の世界の平均気温が、産業革命前と比べて初めて「1.5℃」以上上昇する見通しを発表した。同時に、2024年は観測史上最も気温が高い年となることも確実となった。気候変動対策のために、11日に始まるCOP29で各国が協調できるかが問われている。(オルタナ編集部=松田 大輔)
欧州連合(EU)の気象機関「コペルニクス気候変動サービス」は、1850‐1900年の産業革命前の平均気温と比較し、2024年の世界の平均気温が初めて「1.5℃」を超える見通しを発表した。
2023年の世界の平均気温は、産業革命前に比べて1.48℃高かった。2024年はそれを上回り、1.55℃以上高くなる可能性が高いという。
同機関によると、2024年は観測史上最も気温が高い年となることも確実となった。
11月11日からは、国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)がアゼルバイジャンのバクーで始まる。その一方で、米大統領選で気候変動に否定的なトランプ氏が当選したことを受け、気候変動対策のための資金調達目標の達成が懸念されている。
気候対策の国際枠組みである「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇幅を「1.5℃」以内に収めることを目標とする。今回の発表は、その達成に向けて、さらなる国際的な協調が必要であることを鮮明にした。