オルタナ79号「農業トピックス」51
農林水産省は11月、家畜の飼料添加物に「3―ニトロオキシプロパノール(3ーNOP)」を指定した。3NOPはオランダの化学企業DSMが開発した有機化合物で、牛のゲップに含まれるメタンを抑制する働きがある。すでに、欧州や北米など60ヵ国以上で使用が認められ「Bovaer(ボベアー)」の製品名で流通している。
GHG削減を目的とした飼料添加物の指定は国内初で、30%程度の削減が見込まれる。これを受け、明治ホールディングスとファームノートホールディングス(北海道・帯広市)は「ボベアー」を使用したGHG削減に向けた実証実験を始める。
メタンは、二酸化炭素(CO2)の25倍の温室効果があり、酪農を含む農業分野からの排出が多い。同様に、メタンの削減効果が認められるカシューナッツ殻液についても、近いうちに農水省の指定が下りる見通しだ。