オルタナ79号「漁業トピックス」51
廃棄漁具由来のプラスチックは「海洋プラごみ」問題を引き起こす。その解決に向けた動きが、各地で活発化している。
ゴミ圧縮機の製造・販売を行うエルコム(札幌市)は、牡蠣養殖で発生する使用済みプラスチックを再資源化するプラントを開発し、広島県漁連に納入した。
年間推定約3万個が廃棄される発泡スチロール製フロートやプラ製パイプを、漁業施設の水槽を温める燃料などに活用することで、循環利用の促進やCO2削減に取り組む。
プラスチックのリサイクルを中心に環境事業を展開するesa(イーサ:東京・港)は、従来困難とされた複合素材をマテリアルリサイクルする技術により、魚網を再生したボトルの試作に成功した。工業資材や化粧品、生活雑貨の容器などへの活用が期待される。
アップサイクル事業を行うREMARE(リマーレ:三重県・鳥羽市)と、フィッシャーマン・ジャパン・グループ(宮城県・石巻市)は、10月に業務提携を発表した。
漁具由来100%のマテリアルリサイクル製品を製造するリマーレ、海洋保全に取り組む企業への投資やスタートアップ企業との連携を進めるフィッシャーマン・ジャパン。両者の強みを活かして海洋環境の改善に取り組む。