フロン対策格付け、Aランクは旭化成やイオンなど94社

記事のポイント


  1. JRECOは東証P上場企業1641社のフロン対策格付けを発表、94社がAランクに
  2. 業界別では化学・医薬品や食料品、陸海運・空輸で評価が高い傾向に
  3. 一方で、フロンについて記載のないEランクの企業が80%を占めた

JRECOはこのほど、「フロン対策格付け」を発表した。東証プライム上場企業1641社を調査し、94社がAランク、37社がBランクとなった。業界別では化学・医薬品や食料品、陸海運・空輸が他業界と比較して評価が高い傾向が見られた。一方で、フロン排出抑制法に関する記載がまったくない、あるいは法の理解度なしという評価の「Eランク」は全体の80%(1242社)を占めた。(オルタナ編集部=萩原 哲郎)

「JRECOフロン対策格付け」は2021年度から実施し、今回で4回目。企業ホームページを対象に、フロン対策について機器の点検管理状況や算定漏えいなど法遵守の状況を正しく記載しているか調査して、AからEまでのランクで評価している。

今回のAランク企業は94社となり、昨年に比べ18社増となった。調査したJRECOは「全般に多くの企業で前回からさらに統合報告書、ESGデータ等での環境対策全般の記載が充実し、フロン対策について記載している例も大きく増えている」とした。

また「簡易点検や定期点検の徹底」や「算定漏えい量の明記、または(報告義務で定める)年間1000t-CO2未満である事を確認」といった具体的記載のある企業も増えたという。

■業種によって取り組みの進度に差

業種別では化学・医薬品、食料品、陸海運・空輸が他業種に比べてAランクの比率が高かった。これらの業種では冷凍空調機器の使用が経営課題として大きいことや、フロン対策が温室効果ガス削減に重要であるという経営者の認識が高くなっていることが要因となっているようだ。

一方で、情報・通信、サービス、金融の業種では環境関係の報告が乏しく、フロン対策に関連する記載が非常に少ない状況だった。銀行・金融関係では調査対象116社中8社がCランクとなり、残る108社はEランクにとどまった。

JRECOはAランク、Bランクの企業が少ない理由について「一般の方たちが不可欠なインフラである冷凍空調機器の存在に気付かないことであり、依然として多くの方々フロン類について関心がないこと」だと指摘する。格付け調査などを通じて一層の啓発を進めていく。

Aランクの企業は下記の通り。

旭化成
味の素
アスクル
artience
イオン
いすゞ自動車
出光興産
伊藤忠商事
ANAホールディングス
エーザイ
AGC
エスペック
NTN
大倉工業
小野薬品工業
カナデビア
九州旅客鉄道
極洋
クボタ
三機工業
三洋化成工業
J-オイルミルズ
四国電力
ジャムコ
新光電気工業
新日本空調
住友化学
住友倉庫
住友ベークライト
住友林業
積水化学工業
積水ハウス
セコム
ソフトバンク
大氣社
ダイキン工業
大成建設
大同特殊鋼
高島屋
中外製薬
中国塗料
中部電力
DIC
デンカ
東亞合成
東急
東京応化工業
東京瓦斯
東京電力ホールディングス
東ソー
東邦瓦斯
東洋水産
TOYO TIRE
TOPPANホールディングス
南海電気鉄道
ニコン
日油
日清食品ホールディングス
日清製粉グループ本社
日東工業
日東電工
ニップン
NIPPON EXPRESSホールディングス
日本空調サービス
日本触媒
日本曹達
パナソニックホールディングス
東日本旅客鉄道
日立製作所
ヒューリック
ファナック
ファンケル
フクシマガリレイ
富士通
富士通ゼネラル
富士フイルムホールディングス
プリマハム
古河電気工業
ホシザキ
前澤化成工業
マクセル
三井物産
三越伊勢丹ホールディングス
ミツバ
三菱地所
明治ホールディングス
明電舎
森永乳業
ヤオコー
ヤクルト本社
山崎製パン
ヤマトホールディングス
横浜ゴム
ワタミ

2014年から不動産業界専門新聞の記者職に従事。2022年オルタナ編集部に。

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キーワード: #脱炭素

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