記事のポイント
- アムンディが「エンゲージメント‧レポート 2024」を発行した
- エンゲージメントに関する目標を1年前倒しで達成した
- 欧州最大の資産運用会社としてスチュワードシップを強化へ
フランス・パリに拠点を構える欧州最大の資産運用会社アムンディはこのほど、「エンゲージメント‧レポート 2024」を発⾏した。 同レポートでは、気候変動戦略について、2021年⽐で新たに 1000 の発⾏体とエンゲージメントを実施するという⽬標を 1 年前倒しで達成したことを明らかにした。エンゲージメントの45%でポジティブな結果が得られたと総括した。(オルタナ総研フェロー=室井孝之)
アムンディは6⽉20⽇、2024年のスチュワードシップ活動の進捗状況を⽰す「エンゲージメント‧レポート2024」を発⾏した。
同レポートでは、企業との積極的なエンゲージメント、⼀貫性と透明性がある議決権⾏使実績をまとめた。
機関投資家にとって、エンゲージメントとは、機関投資家が投資先企業と建設的な対話を行い、企業価値の持続的な向上を目指す活動を指す。投資先企業の持続的な成長を促し、スチュワードシップ責任を果たすための重要な手段とされている。
■約半数のエンゲージメント活動でポジティブな影響が
アムンディの2024 年におけるエンゲージメントの実績は、次の4点だ。
① 気候変動戦略について2021 年⽐で新たに 1000 の発⾏体とエンゲージメントを実施することを⽬標とし、これを 1 年前倒しで達成した。
② 2883 の発⾏体とエンゲージメントを実施した(2023 年⽐+10%)
③ 全ての主要なテーマで活発にエンゲージメントを実施した。
〇低炭素経済への移⾏、1691 発行体(+15%)
〇⾃然資本の保全、759 発行体(2023 年⽐で+23%)
〇持続可能な開発のためのガバナンス、1535発行体(2023 年⽐で安定的に推移)
④ 特にアジア先進国(+40%)、新興国市場(+10%)、北⽶(+28%)で増加した。
⑤ 2024 年中に終了したエンゲージメントのうち 45%で「ポジティブ」な結果が得られた。アムンディは発⾏体が KPI をほぼ達成またはタイムリーに達成する⾒込みがある場合、その結果をポジティブと捉えている。
2024 年の議決権⾏使結果は次の通り。
1万515 件の年次総会に参加し、株主提案への賛成率は、気候変動に関連する議案は 82%、社会課題に関連する議案は 81%、反対率は 26%だった。
アムンディの徹底したアプローチは、責任投資を推進する英国の⾮営利慈善団体であるシェアアクション の「ボーティングマターズ」レポートで⻑年に渡り、上位にランクインしている。
外部のステークホルダーからも認められており、アムンディは世界の⼤⼿資産運⽤会社の中でスチュワードシップにおいてリーダー的存在として位置付けられている。