当然イクメン関係の、派生商品・サービスも充実してきた。筆者のオススメはイクメン雑誌「FQ」だ。英国発の季刊誌の日本版である。秋号ではイクメン地球代表としてブラッド・ピットのインタビューが巻頭を飾り、日本人のイクメンセレブも多数登場し育児の楽しさを語る。
そしてイクメン用のファッションや雑貨、パパが選ぶ本格的なおもちゃのカタログがそれに続く。ゴーカート並みのバギー(乳母車)や安全性・機能にこだわったスタイリッシュなチャイルドシートなどの商品解説も充実している。
全国の百貨店などで開催されるイクメン撮影会の写真コーナーは、全国に沢山イクメンファミリーがいることを教えてくれる。
またパパによるしつけの仕方やアウトドアでの遊び方などのノウハウ情報もパパならではの感じがする。このイクメンブーム、草食系男子が増えた軟弱化の影響なのだろうか。実は草食系男子増加の要因の一つは子育て時の父性の欠如ではないか。
子どもは肩車や取っ組み合いや、乱暴な遊びが好きだが、母親だと体力的に難しい。子どもと母親だけの公園だと危ない遊びは全部禁止される。しかし、父親との乱暴なくらいの遊びの中から体得するワイルドさや攻撃性も人格形成には必要に思える。
草食系男子を情けないと嘆く男性こそ、積極的に子育てに参加しよう。子育てが終わっている人は部下や後輩の子育てを支援すべきではないか。
【かわぐち・まりこ】2010年~2011年大和証券グループ本社CSR 担当部長を経て、2011年より大和総研調査本部主席研究員。担当分野は環境経営・CSR・社会的責任投資。社会的責任投資フォーラム代表理事・事務局長、など。
(この記事は、株式会社オルタナが2012年11月5日に発行した「CSRmonthly 第2号」から転載しました)