木と木を組み合わせ、人と人をつなげる木造建築家

鳥羽さんはこれまで、生まれ故郷の名古屋、初めて木造建築を習った岐阜、そしてさらなる研究を重ねた京都と拠点を移してきたが、日本橋にたどり着いたことで、状況が変わり始めた。

その一つが、NPO法人日本橋フレンドとの出会い。同団体は「働く場所を、第二の地元に」をコンセプトに、日本橋活性化にワーカーも参加する取り組みを行っており、代表的なのが「アサゲ・ニホンバシ」という朝活である。2012年1月から毎月第3金曜日に継続して開いてきて、毎回約150人が集まる。

鳥羽さんは友人からアサゲの情報を聞き、さっそく顔を出した。通っていくうちに、日本橋フレンドの一員としてイベント企画に協力するようになり、理事として参画することとなる。鳥羽さんが日本橋フレンドの活動に共感した点は、「人と人をつなげるまちづくり」を行っているからだと言う。

北海道からの帰り道、144人の北海道好きな人と出会い、その情熱に触れた。写真は日光駅前で結婚式をしていたカップルと その模様は「#北海道日本橋」で
北海道からの帰り道、144人の北海道好きな人と出会い、その情熱に触れた。写真は日光駅前で結婚式をしていたカップルと その模様は「#北海道日本橋」で

その後、鳥羽さんは日本橋フレンドの新規事業として、ニホンバシ46ドウフケンをプロデュースすることとなる。これは、日本各地の食とまちづくりに関わるスピーカーをゲストに迎え日本の地域で行われている「旬」の話を聞き、日本橋の飲食店でその食材を使った朝ご飯(地域の朝ご膳)を食べる企画だ。ご飯を食べるだけでなく、地域の行政関係者やスピーカと日本橋のワーカーが交流する。2013年6月から約3カ月に1回のペースで実施している。ゲストの人選は鳥羽さんが行い、毎回全国各地の生産者やまちづくりに関わる方々を訪ね歩く。

日本橋でコミュニティ活動をしていくと出会いも訪れる。実は、グッドデザイン賞を受賞した「石巻・川の上プロジェクト」も日本橋で出会った石巻出身の友人と始めた。鳥羽さんが、日本橋に根を下ろして3年が経った。日本橋でさまざまな人に出会えた恩返しとして、「日本橋に東京のためではなく地域のことを真剣に考えアウトプットが出せるフューチャーセンターをつくりたい」と意気込む。

現在、鳥羽さんは11月5日から日本橋で開催する北海道物産展「ザ・プレミアム北海道2015 in 日本橋」のPRとして動いている。先週は、北海道での打ち合わせの帰り道、鈍行を使って、この物産展のことを道中でアピールした。その模様をSNSで発信し、東京・日本橋に戻るまで144人と写真を撮影し、身体を張った。

鳥羽 真:Like bla re(ライクブラリー)主宰
1979年愛知県生まれ。愛知学院大学情報社会政策学部卒業後、(株)八幡ねじにて技術営業職にて大手メーカー担当。退社後、岐阜県立森林文化アカデミー木造建築スタジオ、京都大学院生存圏研究所生活圏構造機能分野研究生、同研究所技術補佐員を経て、設計事務所勤務とコンサルタント事務所に参画、木造建築物の設計や滞在型の農園開発、首都圏での農作物の販売等に従事。2012年11月に独立。現在はデザイン事務所、Like bla re: 主宰。中央区の森環境ふれあい村推進協議会協議委員、NPO法人日本橋フレンド理事、任意団体石巻・川の上プロジェクト副運営委員、ライフスタイルデザインユニットkitökiö(キトキ)等を歴/在任。

【ザ・プレミアム北海道2015 in 日本橋 開催概要】
【主催】NPO法人コンベンション札幌ネットワーク
【開催日時】第I期:2015年11月5日(木)〜7日(土)
      第II期:2015年11月12日(木)〜14日(土)
      午前11時〜午後7時
      ※第I期と第II期では展示商品が変わります。
【会場】COREDO室町1・2・3を繋ぐ地下通路「江戸桜通り地下歩道」
      http://muromachi-area.jp/about/index.html
【入場料】無料
公式サイトはこちら
*会期中には、アンケートに答えると北海道の豪華食材が当たる抽選も実施!

・鳥羽さんが144人の「北海道親善大使」と出会ったまとめ
http://togetter.com/li/890153
http://matome.naver.jp/odai/2144577841248382201

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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