「魚の取り過ぎが50年前と比べて悪化した」ことを知っている日本人は半数に満たない

記事のポイント


  1. 世界23カ国で実施した、海に関する意識調査の結果が公表された
  2. 日本は他国と比べ「過剰漁獲が50年前より広がった」との認識が低かった
  3. 「水産資源は回復しない」との誤解が広がる一方、適切な管理で回復した事例も

持続可能な漁業の普及に努める国際的な非営利団体MSC(海洋管理協議会)は、世界23カ国3万1000人超を対象に実施した海に関する意識調査の結果を公表した。「過剰漁獲は50年前より広がっている」と正しく認識する人は調査国平均で66%だったのに対し、日本は43%にとどまった。一方、「過剰漁獲された水産資源は決して回復できない」との誤解も広がっているが、適切な管理によって資源が回復した事例も報告されている。(オルタナ編集部・川原莉奈)

日本は他国と比較し過剰漁獲への認識が低い結果に

世界的に海洋環境への関心が高まるなか、海の現状に対する人々の理解や認識は十分とはいえない。MSCは6月8日の世界海洋デーに合わせ、日本を含む世界23カ国で実施した海に関する意識調査の結果を公表した。

調査では、全体の66%が「過剰漁獲は50年前より広がっている」と正しく回答した。一方、日本で同様に回答した人は43%にとどまり、世界平均を大きく下回った。

さらに、世界全体では35%が「過剰漁獲された水産資源は決して回復できない」と誤った認識をしており、26%は「回復できるかどうか分からない」と回答した。過剰漁獲の問題は広く認識されているものの、水産資源の回復可能性については十分に理解されていない実態が浮かび上がった。

これに対してMSCが新たに公表した報告書「未来のための漁業(Fishing for the Future)」では、科学的な管理によって資源が回復した事例を紹介している。

イギリスやヨーロッパで広く食べられているヘイク(メルルーサ)は、過剰漁獲によって1990年代初めに資源が激減した。しかし、持続可能な漁業管理の導入や網目の大きい刺し網の使用などにより資源は回復し、現在も健全な水準が維持されている。

東大西洋のタイセイヨウクロマグロも、厳格な管理措置によって1960年代以降最高となる水準にまで回復したという。

MSCのルパート・ハウズ最高責任者は、「科学に基づいた管理と強い連携、そして長期的な取り組みによって、水産資源は持続可能な形で管理できる」と強調し、水産資源は回復可能であるという希望のメッセージを広く伝え、行動につなげていく必要性を訴えた。

※調査実施国:オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、中国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、シンガポール、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカ

kawahara

川原莉奈 (オルタナ編集部)

早稲田大学理工学部卒業後、大手自動車関連メーカーで7年間勤務。その後、「全く異なる世界を見てみたい」との思いからフリーランスに転身。ファッション・ライフスタイル系のWebメディアでデスク、エディター、ライターを務める。2023年からは、並行してNPO法人にてWebデザインや広報を担当し、社会課題への関心を深める。ライターとしてのモットーは「複雑なテーマを整理し、シンプルに伝えること」。

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キーワード: #サステナビリティ

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