記事のポイント
- ネスレやイケアなど112社が各国政府に「脱化石燃料」を求める声明に賛同した
- 中東情勢で顕在化した化石燃料による価格変動は大きな「ビジネスリスク」と指摘した
- 電動化を求めた企業には日立製作所やアドバンテストなど日本企業約20社も含む
ネスレやイケアなど、世界112社の企業は6月22日、各国政府に対し「電動化への移行加速」を求める声明に賛同した。中東情勢で顕在化した化石燃料依存のリスクを踏まえ、エネルギー安全保障を強化する上でも、経済戦略の中心に電動化を据えるよう、各国政府に強く求めた。112社の中には、日立製作所やニコン、アドバンテストなど、日本企業も20社近くが名を連ねる。(オルタナ輪番編集長=北村佳代子)

声明は、国際NGOなどで構成するWe Mean Business(ウィー・ミーン・ビジネス:WMB)連合と国際的な再エネ産業連合の「グローバル・リニューアブルズ・アライアンス(GRA)」が主導してまとめた。
中東情勢など地政学リスクが高まる中、「変動の激しい燃料市場への依存が続いているため、価格の高騰を招き、サプライチェーンを不安定化させ、投資を遅らせるといった経済の混乱にさらされている。企業にとって、こうしたリスクは継続的な不確実性をもたらし、運営コストを押し上げ、競争力を損なうことになる」と声明を出した。
声明に賛同した企業は、製造業、消費財、ヘルスケアなど多岐にわたり、その数は112社に上る。各社の年間売上高は総額約1.5兆ドル(約242兆円)に達する。
スイスのネスレ、スウェーデンのイケア、ボルボ・カーズ、H&M、スペインのイベルドローラ、米ウーバー、リーバイス・ストラウス、印マヒンドラ・グループといった名だたる企業のほか、日本からは日立、ニコン、アドバンテスト、すかいらーくホールディングス、松田産業など20社近くが名を連ねた。
■「電化でエネルギー安全保障は高まる」と91%の経営者
WMBとGRAは、声明に先立つ6月15日、非営利シンクタンクE3Gとともに実施した、再エネ由来の電動化エコノミーに関する世界規模の調査結果レポートを公表した。この調査は、日本を含む18カ国の経営幹部を対象に、ホルムズ海峡が封鎖された状態にあった4月下旬に実施したものだ。
それによると、すべての調査対象国の経営幹部が、化石燃料を基盤とするシステムからの迅速な脱却を支持しており、回答企業の90%が、2035年までに自社の事業運営は電化されると予測した。
また経営幹部の91%は、電化によってエネルギー安全保障が向上すると回答し、79%は中東情勢などの地政学的不安によって、自社が電化への移行を急ぐ必要性が高まったと回答した。
また経営幹部の90%は、自国が再エネを基盤とする電力システムに移行すれば、経済成長が促進される可能性が高いと回答しており、88%は、自社の事業運営を電化すれば競争力が高まると回答した。
その一方で72%は、政府の政策対応が後れを取っていると回答しており、回答者の62%は、自国政府が電化に向けた十分な支援を提供しない場合、事業拠点の移転を検討するとも回答した。
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