高校生が東北3県の名産品販売、アルビオンが後押し

■高校生自身がイチオシ商品を販売

学習から実戦へ、道行く人たちに故郷の自慢の品をアピール
学習から実戦へ、道行く人たちに故郷の自慢の品をアピール

想いを込めたPOPを設置、一押し商品を前面にならべ、試食の準備も完了。商品の薦め方やお客様への接客も笑顔の作り方も学んだ。あとは、お客様を待つばかり。しかしオープン直前、高校生たちは緊張からか、前日の笑顔はなかった。

丸の内の青空市場に先立ち、アルビオン本社での販売開始。開店前から多くの人が列をなした。高校生の緊張をほぐすようにアルビオン社員からのサポートが入る。商品を購入しようと並んでいる人に、他の商品も薦めるようにというアドバイスを受け、高校生が男性社員に「お酒のおつまみにいかがですか?」と声をかける。

「お酒飲めない年でしょ(笑)。お父さんも食べているの?」。高校生が笑顔で「はい」と答えると、男性は、その商品を買い物カゴへ。このやり取りをみて、他の生徒も地元のイチオシ商品を薦め始めた。

一方、丸の内会場は、毎週開催されている市場で1日限定の出店。周りは常連の方々が多く「自慢の商品」を売る大人たちが出店していた。競合ひしめくなか、道行く知らない人に声をかけ、試食をしてもらい、商品を薦める。最初はなかなか声をかけられなかったが、一人、二人と、自分が薦めた商品を買ってくれる人が増える毎に緊張がほぐれ、薦め上手に変わっていった。

バックアップをしているアルビオン社員は表に立つことなく、暖かい励ましの声をかけながら、ひたすら、後ろから見守り、高校生たちは長い一日を成功のうちに終えた。

■結果を次に活かす
販売前に高校生自らが設定した個人の目標の中には、達成できなかったものもあったが、販売翌日の修了式では、販売を通した「気付き」が共有され、多くの高校生が、一生懸命取り組み、商品が売れていくことがとても嬉しかったと語った。

3県すべてのマーケティング事前講座を担当した企画部門の長嶋ゆかりさんは、「マーケティングとは、お客様に嬉しさを提供して喜んでもらう全ての行為と教えました。商品を買ってもらったお客様がそれぞれの職場や家庭で嬉しいひと時を過ごしたと思います。ただ、生徒の皆さんにとっては今回完売を目標としていましたが、なかなかすべて上手くいくことは実際には難しかったと思います。上手くいかなかったことを、どうやって、次に活かしていくのか、いろいろな伝え方を考えて、次につなげる。その繰り返しが大事なのです」と激励の言葉を贈った。

この経験を経てどんな大人に成長するのだろうか。進む道の途中で、目標が達成できない時、上手くいかない時、自分たちの頑張りを支えてくれたアルビオン社員の姿を思い出すことだろう。

◆いわて三陸復興のかけ橋「復興トピックス」

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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