VRが可能にするダイバーシティ社会の未来

■この度、この作品が先進映像協会が主催する「ルミエール・ジャパン・アワード2018」のVR部門で準グランプリを獲得しました。何が評価されたと思いますか?

授賞式の様子

北野:社会的な意義に加えて、映像の切り替わり時の視点誘導など、VRならではの制作手法を緻密に盛り込んだことも、評価の要因だったと聞いています。2016年からVR映像の制作を行なっていますが、エンターテイメントの制作を通して磨いてきた、これまでのノウハウをうまく活かすことができたと思います。

シネマトグラフを発明したルミエール兄弟の名前を冠したアワードですが、VRという新しく登場したメディアに対して、どのように活用することが社会的インパクトにつながるか、自分なりにひとつの答えを企画や演出として提示し、それを評価してもらえたことがうれしかったです。

「相手の立場に立って、お互いをより良く理解する」というのは、ダイバーシティの基本でもありますが、それを口で言うだけではなく、体験として提供できることがVR技術のひとつの価値だと思っており、作品として残せたことをありがたく思っています。

VRは価値のある「体験」を伝えるメディアとして、企業のCSR/CSV活動の幅を無限に広げてくれると思います。また、その先にある社会変革を促すことが、VRの役割のひとつではないかと思っています。

 

筆者プロフィール:北野 雄一(きたの ゆういち)
先端デジタルコンテンツプロデューサー
2005年フジテレビ入社後、番組制作や営業を経て、2016年から新設のVR事業部でVR/ARを中心にコンテンツを制作。
2013年からCSRプロジェクトメンバーを兼務し、社屋をアウェアネスカラーでライトアップする企画など、ダイバーシティをテーマに活動。

※『ダイバーシティ体験VR「世代間ギャップ、上から見るか?下から見るか?」』作品概要
制作:Fuji VR(フジテレビVR事業部)
監修:シルバーウッド プロデュース:北野雄一(Fuji VR)
演出:野島勇(共同テレビ) 脚本:上杉隆之 作品長:11分40秒
主な公開方法:シルバーウッドが事業として展開するダイバーシティ企業研修における視聴

参考URL等
※Fuji VR(フジテレビVR事業部)公式HP:http://vr.fujitv.co.jp/
※株式会社シルバーウッド公式HP:http://www.silverwood.co.jp/
※ルミエール・ジャパン・アワード公式HP:http://advancedimagingsociety.jp/award/index.html
2011年から3DやUHD(ウルトラハイディフィニション 4K・8Kなどの超高精細映像のこと)など国内の優れた先進映像コンテンツを評価してきたこのアワードに、VR部門が設立されたのは2016年。以降、新しい映像表現の可能性を追求した多様な作品が表彰され、国立天文台や日本放送協会などによる社会貢献性の高いコンテンツも注目を集めてきた。

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