事実に基づいた「現状把握」が問題解決に導く

■ビジョンと業務の紐づけを

静岡県三島市を拠点に、映画制作・上映事業や人材育成事業を展開する「みしまびと」は、「地域の未来をつくる人をつくる」というビジョンを掲げる。2016年には市民参加型映画「惑う After the Rain」を完成させ、各地で上映会を行っている。

事務局長の村上萌さんは、「なぜ、誰のために活動を行うのかという組織の根幹の部分を、より明確に言語化すべきではないか」という課題を感じているという。

みしまびと事務局長の村上萌さんは「事業を継続的に行っていく仕組みをつくるためにも、活動の根幹の部分を言語化していきたい」という

みしまびとでは映画の完成後、次に取り組むべきミッションを模索するなかで、コミュニティカフェやコワーキングスペースなどを併設し、地域の未来をつくる人を育てる拠点として「みしま未来研究所」を設立。高校生向け起業家育成プログラムを展開するなど、人材育成に取り組んでいる。

様々な活動を展開するなかで、目指す姿やミッションを改めて再定義する必要があるのではないかという課題だ。

古谷講師は、「どこかで活動の棚おろしを行い、団体としての位置づけや視点を再確認する作業が重要。個々のアクションプランがどのようにビジョンとつながっているのかということを、紙の上で見えるように紐づけることで、活動のグランドデザインを描くことにつながる」と話した。

村上さんは「個々の活動に関わるスタッフも、どのような思いで参加しているのか、ビジョンに紐づいた形で改めて共有していきたい」と述べた。古谷講師は「取り組みの進捗を現状と比較し、計っていく視点が求められる」と応じ、目標と現状とのギャップ(問題)を明らかにする現状把握の視点が求められるとした。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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