オーガニックコットン製品の国際基準、日本で本格展開

【写真】GOTS認証マークの付いた小林メリヤスのベビーウエア

農薬を使わずに栽培された綿花(オーガニックコットン)を使用した製品への国際的な認証基準「グローバル・オーガニック・テキスタイル・スタンダード(通称GOTS)」が、このほど日本で本格的に展開されることになった。オーガニックコットンを使うことで環境に配慮するだけでなく、生産現場での児童労働の禁止といった社会的責任も求められる認証基準だ。

GOTSは、日米英独4カ国を代表するオーガニックコットン普及・認証団体によって2005年に策定された。オーガニックコットンを70%以上使用しなければならないほか、遺伝子組み換え作物(GMO)や毒性の強い重金属とホルムアルデヒドの使用などが禁じられている。製造加工の過程で使用できる化学薬品も大幅に制約される。さらには、生産工場での労働環境が適切かどうかについても審査を受ける。

2009年末現在、世界55カ国で約1500社の2800余の施設が認証を受けた。このうち、日本企業ではオーガニックコットンのベビー服を生産する小林メリヤス(山梨県南アルプス市)など、11社が認証を受けている。

同様の国際認証としては、米国のNGOが主体で運営されているオーガニック・エクスチェンジ(OE)がある。OEはオーガニックコットン栽培農家の拡大を主な目的としており、オーガニックコットンが5%以上含まれていれば認証を得られる仕組みとなっている。これに対して、GOTは環境への配慮と社会的責任との両立を求めている点で、よりハイレベルな認証と言えよう。

GOTS日本地域代表でファッションジャーナリストの生駒芳子さんは「消費者の皆さんにはぜひGOTSを、お買い物の際の基準として欲しい」と呼びかけている。(オルタナ編集部=木村麻紀)2010年10月26日

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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