エシカルは優良顧客戦略:ストライプ石川社長(4)

最近、当社はドーナツ事業も始めました。大手コンビニチェーンもドーナツから撤退して、ミスタードーナツでさえも減収するなかで、どうしてドーナツなど始めたのかと言われます。しかし、社会課題は明確で、多くのドーナツはカロリーが高くてケミカルだからです。

京都にあるkoé donutsは、出来立てのドーナツをナイフとフォークで食べる体験型のドーナツファクトリー

私たちは199キロカロリーで食べられるドーナツをつくっています。有機小麦を使って、農薬だらけの植物油から玄米油に変えました。原価は倍くらい高いですが、これでカロリーは3割近く落ちました。さらに、エシカルなサプライヤーではないといけないので、京都に出した一号店では、京都産の卵と牛乳を選んでいます。

店舗も建築家の隈研吾さんに内装を依頼して、手ではなく、フォークとナイフで食べるドーナツを提供しています。一番高いドーナツは1800円ですが、安いものでは200円のものもあります。

子どもに食べさせる素材に関してリテラシーが高い若い親が増えています。服だけでなく、飲食でも、若い層のリテラシーに合わせて作り方を考え、ビジネスで社会課題の解決を実践していきます。

石川 康晴(いしかわ やすはる)
株式会社ストライプインターナショナル
代表取締役社長 兼CEO
1970年12月15日岡山市生まれ。岡山大学経済学部卒。京都大学大学院経営学修士(MBA)。94年、23歳で創業。95年クロスカンパニー(現ストライプインターナショナル)を設立。99年に「earth music&ecology」を立ち上げ、SPA(製造小売業)を本格開始。現在30以上のブランドを展開し、グループ売上高は1,300億円、グループ従業員数は6,000名を超える。中国、台湾、ベトナム、インドネシアなど海外各国への進出も強化しており、国内外の店舗数は1,500店まで拡大。ファッションのサブスクリプションサービス「メチャカリ」や、ECデパートメント「STRIPE DEPARTMENT」、ホテル併設型グローバル旗艦店「hotel koe tokyo」など、最新テクノロジーを駆使したプラットフォーム事業・ライフスタイル事業にも注力。公益財団法人 石川文化振興財団の理事長や、国際現代美術展「岡山芸術交流」の総合プロデューサーも務め、地元岡山の文化交流・経済振興にも取り組んでいる。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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