英国で国連認定教師が「気候変動教育」、NPOも支援

エデュケート・グローバルの支援範囲は世界全体に及ぶが、特に本部がある英国では、認定教師による前向きな取り組みが徐々に目立つようになってきた。教師たちは今まで、政府に気候変動への迅速な対処を求め、「フライデー・フォー・フューチャー」などのストライキを決行したり、気候変動を学校カリキュラムの最優先事項として取り上げるよう署名運動を行ったりする学生を支持してきた。しかし、政府の対応は緩慢だ。そこで、制度改革などを待たずに、自らの手でこの問題を解決しようと、教師は国連認定の資格を得、エデュケート・グローバルの支援を受けながら、自校で気候変動の授業を進めているのだ。

エデュケート・グローバルは、世界中にあるすべての学校において、在任中の教師のうち最低1人は資格を取得し、指導にあたれるよう、コースの普及と支援の拡大を目指す。2020年の目標としては、英国内の学校に、気候変動教育における「システム・リーダー」を配置することを挙げている。システム・リーダーは気候変動教育面で他校との連携を築き、知識を共有する役割を担う。さらに、世界に同コースの存在を知らしめ、展開を図るために英語以外の言語での教育の準備も進める。

ドバイにあるジェムズ・キンダーガーテン・スターターズでスピーチを行う、エデュケート・グローバルのメラニー・ハーウッド氏。同校は校長を含め、約300人の全教員が認定教師になった、世界初の幼稚園・小学校だそうだ
© eduCCate Global

認定教師になった教師たちは、同コースで得た情報を学生に伝え、将来役立ててもらえることに意義を感じている。一般的に教員は時間的にも、精神的にも余裕がないという問題があるが、それを押してでも、同コースを学ぶ価値は十分にあると認める。国連の認定を受けていることで、自分の発言力や影響力が高まり、学校内外の人たちに気候変動教育の重要性についてより理解を示してもらえるようになったとする教師もいる。

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

執筆記事一覧
キーワード:

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..