生分解性プラスチックは本当に分解するのか(下)

広がるプラスチック汚染、解決にはリユース社会の構築を

いずれにせよ、生分解性プラスチックはまだ発展途上の技術であり、用途も効果も限定的だ。生分解性と書かれていると、野外に放置しても数週間も経てば自然に還ると誤解され、ポイ捨てを誘発する危険性もある。

使用時は問題なく使えて、遺棄された場合に何らかの状況がトリガー(引き金)となり、速やかな分解が始まるーー。そんな夢のある研究も進められているようだが、だからといって安心はできない。

プラスチックによる環境汚染は日々深刻さを増し、地球温暖化も待ったなしの状況だ。そんな中、私たちは持続可能な暮らしへの速やかな転換を迫られている。いま最も大事なことは、使い捨て習慣からの脱却であり、リユース社会の構築なのだ。

(※1)国際的な認証機関Vincotteの「OK Biodegradable MARINE」の規格

環境にやさしい暮らしを考える

栗岡 理子(編集委員)

1980年代からごみ問題に関心をもち、活動しています。子育て一段落後、持続可能な暮らしを研究するため、大学院修士課程に進学。2018年3月博士課程修了(経済学)。専門は環境経済学です。執筆記事一覧

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