ALTキーワード:ジェンダー平等戦略
欧州連合(EU)は基本条約内で「男女平等の促進」を規定している。しかし取り組みはいまだ途上だ。例えばEUでは女性の33%が身体的・性的暴力を受けたことがある。
給与水準は男性に比べて平均で16%も低い。さらに大企業における女性CEOの割合はわずか8%に過ぎない。このほか雇用、家事・育児、年金などの分野でも男女格差が根強く残る。
国際女性デー(毎年3月8日)を控えた今年3月5日、EUの政策執行機関である欧州委員会は、今後5年間の対策である『ジェンダー平等戦略2020-2025』を発表した。EUの全政策分野で男女平等の観点を取り入れる内容となっている。
特に暴力・賃金・トップマネジメントの三分野について、重点的な対策を講じている点が特徴的だ。暴力については域内で統一的に適用できる犯罪の範囲にセクハラ、虐待、女性器切除などの行為を加えることを検討。
賃金についてはパブリックコメントを経て、拘束力のある対策を提案するとした。さらにトップマネジメントについては、欧州委員会みずから2024年末までに全管理職の50%における男女平等を実現する目標を設けた。