『地球に住めなくなる日』著者インタビュー(中)

■ 世界の都市の3分の2が水没の可能性

国連は大量の「気候難民」が出ると予測しており、将来、海面が80メートル上昇することで世界の都市の3分の2が水没します。20世紀後半が「金融資本主義」と形容されたよりも強烈に、21世紀は「気候変動と温暖化」に支配される時代になります。

この本は、気候変動の科学について書いたものです。政治、地政学、文化など科学領域以外にも気候変動の影響が及び、変化を強いられるでしょう。

資本主義もテクノロジーもすべての経済活動が気候変動の影響を受けます。でも、どれほどの影響なのかは、私たちの行動にかかっています。楽観的には、気温の上昇がどの程度か予測が可能になり、対策を考えることができるでしょう。

しかし、国連のシナリオにあるほど石炭利用は増えないでしょうし、気候変動モデルほど温暖化は進まないかもしれません。今回のコロナにみたような政府対策や対応に期待をもてるかもしれません。

2℃上昇でも、私たちの社会や経済が気候変動で今より苦しむことは確実です。気候変動にどのように適応し、住みやすい場所にしていくのかはこれからであり、私たちの生活や生活スタイルも変わっていくでしょう。

楽観的には、何もしなかった場合よりもずっと成果を出すでしょう。しかし、悲観的には現在に比べて人類最大の苦痛や、痛みを伴うことは避けられません。しかし、本当の悲劇は、事態を回避するための方策を何も取らなかった場合に起こるのです。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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