コロナ時代こそ「SDGsアウトサイドイン」活かせ

ただ、アウトサイドインは、長期的な視野と、社会との対話が必須です。今年や来年の売上高を作るものではなく、中長期的な戦略です。新型コロナ禍では、多くの企業がマスクの製造に乗り出しましたが、これはアウトサイドインとは言えません。すでに市場ニーズが顕在化していたからです。

市場ニーズが顕在化してしまうと、多くの企業が参入し、またたく間に「レッドオーシャン化」します。マスクの場合も、当初は高値で売れたものの、その後の価格は大きく下がり、当初見込んでいた利益率を出せないケースが増えています。

同業他社にはまだ見えていない社会のニーズを探し出すのは容易ではありません。そのためには自治体や大学、NGO/NPOなどさまざまなセクターとの協働やオープンイノベーションが不可欠です。

サステナブル・トランスフォーメーションの時代

森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

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