米中古衣料企業のリユース事業、5年で7千万点に

百貨店とも連携へ

商品の写真撮影など、再販に伴う煩わしいことはスレッドアップが請け負うため、より多くの服を集めることができる(スレッドアップのウェブサイトから)

スレッドアップは自社のネット運営に加え、小売業者に、「リセール・アズ・ア・サービス(RAAS)」というプログラムを提供し、再販商品を購入する顧客との橋渡し役を行う。プログラムには3つの方法があるが、特に需要が高いのが、小売業者のポイントプログラムとのタイアップだ。

RAASを通し、同社は今まで入り込めなかった有名百貨店に進出した。J.C.ペニーの30店舗に売り場を確保し、女性用のアイテムを販売。そこでの買い物でも、顧客はJ.C.ペニーのポイントプログラムのポイントを得られる。メイシーズの40店舗も同様だ。

また、アパレル業界においてサステナビリティを推進する企業に資金を援助するための基金を設立したり、再販を前提にデザインされた新しいアパレル商品のブランドを立ち上げたりと、工夫を凝らす。

同社の調査によれば、2018年現在、再販衣料市場は5年前の2倍の伸びを見せる。市場規模拡大の速度は小売業の20倍以上だという。

サステナブルなアパレルの購入の意思がある消費者は72%に上るが、高価格が原因で見合わせる傾向があった。
しかし、64%の女性が「再販衣料の購入経験がある・購入したい」とするように、再販衣料はサステナブル・ファッションの選択肢の1つとなりつつある。

*雑誌オルタナ59号(2019年12月17日発売)「世界のソーシャルビジネス」から転載

mari

クローディアー 真理・ニュージーランド

1998年よりニュージーランド在住。東京での編集者としての経験を生かし、地元日本語月刊誌の編集職を経て、仲間と各種メディアを扱う会社を創設。日本語季刊誌を発行するかたわら、ニュージーランド航空や政府観光局の媒体などに寄稿する。2003年よりフリーランス。得意分野は環境、先住民、移民、動物保護、ビジネス、文化、教育など。近年は他の英語圏の国々の情報も取材・発信する。執筆記事一覧

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