東商が優れた環境活動表彰、大賞にブランシェスなど

東京商工会議所は11月6日、「eco検定アワード2020」表彰式を開催した。同アワードは積極的に環境活動に取り組むエコピープル(eco検定合格者)やエコユニットの活動を顕彰することで、具体的なアクションの活動指標にしてもらうことを目的にしている。エコユニット部門(法人)大賞は子ども服の製造販売を行うブランシェス(大阪府吹田市)、エコピープル部門(個人)大賞は浅野智恵美さん(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)が受賞した。(オルタナ編集部=吉田広子)

■「サンゴの白化を止めたい」

ブランシェスのサンゴ礁再生活動の一環で移植されたサンゴ

エコユニット部門大賞となったブランシェスは、2010年からサンゴ礁の再生活動に力を入れる。同社の岸本和美さんは「趣味のスキューバダイビングでサンゴの白化現象を知り、個人的なボランティア活動から会社の環境保全活動につながっていった」と経緯を説明する。

サンゴの白化は、温暖化による海水温の上昇が原因とされ、世界中で起きている。白化が進むとサンゴは死滅し、生態系が崩壊してしまう。

ブランシェスはこうした危機感から、消費者を巻き込んだ活動を展開しようと、サンゴ保全寄付つきハンドタオルを販売。売り上げの10%を「海の種」(沖縄県読谷村)に寄付し、沖縄のサンゴ礁再生活動に役立てている。沖縄に植えられたサンゴの数は、社内ボランティアで植えたサンゴと合わせて268株に上った。

活動10周年の記念となった2019年には、ソニーと協働し、「サンゴの海3D上映会&海からの贈り物でフォトフレーム作り」も実施した。

このほか、2018年からはクリスマスシーズン限定で、廃棄されるバナナの茎を利用した手作りメッセージカードの販売を開始。フィリピンの生産者がバナナの茎で作った手すき紙に木の葉や卵の殻など自然素材を使って装飾したもので、カード2枚の売り上げで、フィリピンの生産者が1キログラムの米を買えるようになるという。ブランシェスはこうした活動を通じて貧しい家庭が潤い、子どもたちが学校に通える環境づくりに貢献したいとしている。

「eco検定アワード2020」エコユニット部門の受賞者ら

■ハンバーガーで持続可能性伝える

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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